- 著者
-
木村 朗
- 出版者
- 日本公衆衛生理学療法研究会
- 雑誌
- 日本公衆衛生理学療法雑誌 (ISSN:21895899)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.2, pp.18-23, 2017 (Released:2018-03-16)
- 参考文献数
- 11
はじめに:日本の20歳代の若者では、血糖スパイクの発生率はそれほど高くないと報告されているが、1995年以降に生まれた20歳代の血糖スパイクの発生率は増加している。 目的20代の青年の血糖スパイクを予測する発達上の複雑な要因を探った。
方法:20歳代の血糖スパイクを予測する発達因子の影響を、後ろ向きコホート研究によって分析した。予測因子は、出生体重、3歳の体重(BW)、12歳のBW、15歳のBWであった。高校時代の運動習慣の有無、20代の物理的な不活動の存在、20代の食事中の野菜や果物の摂取、20代の朝食摂取習慣の存在、20代の血糖スパイク(GS)の存在。我々は、肥満の存在を従属変数とするロジスティック回帰モデルを用いて分析した。
結果:67名(平均年齢21±0.4歳、女性51%)が分析に含まれた。血糖スパイクの頻度は13.4%(1.079〜78.219)であった。血糖スパイクへの影響の個々の因子を調整した後、最良の予測モデルは、12歳の性別、性別、定数(誤差)で構成される。唯一有意な予測因子は、12歳の1.222(1.038〜1.438)のBWであった。性別0.05(0.003~0.831)、定数0.0098。性別による効果の差異が示された。興味深いことに、野菜と果物の摂取量、出生時体重、3歳と15歳のBW、高校時代の運動習慣、20代の身体活動、20代の朝食摂取習慣、20代のGSが血糖スパイクの予測に関連する。 2008年頃の日本の経済不況の影響は、伝統的な日本料理から輸入された安価なブドウ糖食品の普及にも影響を及ぼしている可能性がある。
結論:我々の所見は、おそらく2008年頃の12歳の青年の体重を、20歳の青年期の血糖スパイクを予測する発達上の複雑な要因として示している可能性が示唆された。