著者
大湾 麻衣 入戸野 宏
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.169-176, 2020-12-31 (Released:2021-03-19)
参考文献数
25

ハイレゾリューション音源はCDより時間方向あるいは振幅方向の解像度が高く,その高周波成分が生理状態に影響を及ぼすという報告がある。本研究では192 kHz/24 bitで録音された自然環境音(オリジナル音源)にフィルタをかけ,高周波成分(>22 kHz)をカットした2種類の音源(サンプリング周波数192 kHzと44.1 kHz)を作成した。24名の大学生が3種類の音刺激をランダムな順で聴取した。脳波のシータ帯域(4.0―8.0 Hz)とスローアルファ帯域(8.0―10.5 Hz)のトータルパワーは,サンプリング周波数が高い音を聴取しているときの方が高くなった。主観的気分や音質評価には明瞭な条件差が認められなかった。この結果は,CDよりもサンプリング周波数が高い音源は,意識的に違いに気づかなくても生理状態に影響を及ぼすことを示唆している。

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@align_centre 多分、一番最近の実験はこれかなと思います。 | J-STAGE Articles - デジタル音源のサンプリング周波数が聴取者の心理・生理状態に及ぼす影響 https://t.co/EEvhFg9hkM

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