著者
熊沢 伊和生 土屋 十次 立花 進 川越 肇 名和 正人 浅野 雅嘉
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.1426-1431, 2007-06-25 (Released:2008-08-08)
参考文献数
22

症例は39歳, 男性. うつ病にて治療中. 平成16年11月乾電池を嚥下し腹痛を主訴とし3日後初診. 臍左側部に圧痛, 白血球増多・CRP陽性, 腹部単純撮影で胃内に乾電池の陰影を多数認めた. 乾電池胃内異物の診断で同日開腹術を施行. 電気メスで胃前壁の切開を進めると青白い炎を伴った小さな爆発音を認めた (臓器損傷なし). 粘膜所見は多発潰瘍を伴う腐食性胃炎を認めた. 単三乾電池29個, 単四乾電池2個を回収. 乾電池両極はほぼ融解していた. 術17日目に軽快退院. 本邦での単三乾電池の異食報告例は全て精神疾患患者だった. アルカリ乾電池は消化管内で化学熱傷による粘膜障害と, 化学反応による水素の発生を惹起する. 胃切開時の爆発は消化管閉塞例に多く, 本邦では全て胃内異物例で起きていた. 医療事故防止上結腸切開時と穿孔性腹膜炎での腹膜切開時, そして腸閉塞, 緊急手術, 特に異物摘出での消化管切開は電気メスを使用しないことが推奨される.

言及状況

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@daichanja これ粘膜は乾電池で潰瘍起こして穴が空くので ほんとにやっちゃダメだよ 結構笑い事じゃ無いです https://t.co/2fZxU6wxtl
気になる論文をみつけてしまった。 J-STAGE Articles - 電気メスにより胃内ガス小爆発をきたした胃内異物 (乾電池) の1例 https://t.co/pyp1sY7M1C
@RED_BEAR_TLW デンマークの話なのか。 日本の論文でこんなのみつけた https://t.co/mgO6taEOXv
電気メスにより胃内ガス小爆発をきたした胃内異物 (乾電池) の1例 https://t.co/rdc94zzQ8q
鬱病患者が親と喧嘩して発作的に乾電池40個を飲み込み病院行き→電気メスで胃を切開したらガス爆発→無事に退院 って何もかもすごいな https://t.co/e8n6AlmNeP
@asahi_apital https://t.co/Z0FCDM1QOM
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