著者
重松 英朗 中村 吉昭 古閑 知奈美 森 恵美子 大野 真司
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.3069-3073, 2008 (Released:2009-06-11)
参考文献数
10
被引用文献数
8 8

Corynebacterium kroppenstedtii感染により発症し乳癌との鑑別を要したgranulomatous mastitisの1例を経験したので報告する.症例は47歳,女性.1カ月前より右乳房腫瘤を自覚し当科受診.右乳房A領域に3cm大の腫瘤を認めた.理学的所見,画像所見より右乳癌が疑われたが針生検組織診で確定診断が得られなかったため外科的生検術を行った.病理組織所見では肉芽腫の形成と多核巨細胞を含む炎症細胞浸潤を認め悪性所見は認められなかった.細菌培養にてCorynebacterium kroppenstedtiiを認め,Corynebacterium kroppenstedtii感染により発症したgranulomatous mastitisと診断した.治療として排膿ドレナージ後,塩酸ミノサイクリン内服治療を3週間施行し治癒を認めた.Granulomatous mastitisの診療においてCorynebacterium kroppenstedtii感染の可能性を考慮することが必要と考えられた.

言及状況

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Corynebacterium kroppenstedtii感染にて発症した肉芽腫性乳腺炎の1例 細菌感染はエコー画像で分かるのだろうかとふと思って調べてみたのですが、まぁ病理や他の検査ないとやはり厳しいみたいですね。細菌性腸炎時の壁肥厚とはまた訳が違うか… https://t.co/8xyhpDUMcc

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