著者
杉浦 孝広 森 庸介
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.628-631, 2012 (Released:2012-10-11)
参考文献数
6

ペースメーカー(PM)装着患者の増加に伴い,PMを装着した患者が手術を受ける機会が増加している.PM装着患者における麻酔では,患者の安全を守ること,PMの故障に伴う合併症の発生を防ぐことが重要である.術前評価は,PM因子としてPMの①適応,②種類と設定,③依存度を評価し,患者因子として一般術前検査に加えて,心疾患合併の有無を確認する.術前に,電磁干渉の発生や設定変更の必要性を考慮し,一時ペーシングや対外的除細動器を準備してペースメーカー不全に備えることが,適切な術中管理を行う上で大切である.すなわち,系統だった術前評価と準備を行い,重篤な合併症の発生を未然に防ぐ必要がある.

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