著者
関川 綾乃 高木 俊一 磯崎 健一
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.291-295, 2018-05-15 (Released:2018-06-23)

病的肥満患者に対する意識下挿管を同一症例で短期間に3回経験した.57歳,男性.身長173cm,体重150kg,BMI 50kg/m2.左上腕骨骨折に対し観血的骨接合術を予定した.マスク換気困難・挿管困難が予想され,意識下挿管を選択した.鎮静薬投与後,局所麻酔薬を散布しMcGRATH(McG)で気管挿管を試みたが,声門の同定に難渋し約30分かかった.33日後,右大腿骨骨折に対し観血的骨接合術を予定した.エアウェイスコープ(AWS)による声門の同定は容易で,約10分で挿管できた.初回手術から42日後,両上腕骨骨折に対する観血的骨接合術を予定した.AWSによる声門の同定は容易で,約15分で挿管できた.AWSは病的肥満患者の意識下挿管に有用である可能性が示唆された.

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挿管についてはビデオ喉頭鏡といった昔より便利な道具が増えてはいるけれど、それを用いてなお経験豊富な麻酔専門医2名で30分ほどかかる場合もある。 https://t.co/wc47uSPIcT ちなみに病的肥満の日本での割合は0.5%程度とのことだが、この30年間で22倍になっているらしい。

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