著者
竹内 陽子 長谷川 雅美
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.4_13-4_24, 2012-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
25

本研究は,前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia:以下,FTDとする)の視覚空間認知機能が保たれている点を重視して,自閉症患者用のTEACCHプログラムの活用に着目した。本研究の目的は,FTD患者の特徴を活かしてTEACCHプログラムの一部にある「構造化」による介入を行うことで,その有用性を検証することである。対象者は,認知症専門病院でFTDと診断された10名のうち,同意が得られた4名であった。対象者には,視覚的な構造化,時間の構造化,空間の構造化,作業の構造化の4つの構造化プログラムで約3か月間介入した。分析は,FTD患者の反応や変化から構造化プログラムのどの要素に有用性があるかを検証した。その結果,視覚的な構造化,時間の構造化,作業の構造化で有用性が認められたが,空間の構造化に対しては,有用性は判定できなかった。本研究から,FTD患者の日常生活援助として構造化プログラムを活用することの有用性が示唆された。

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