著者
須田 斎
出版者
人体科学会
雑誌
人体科学 (ISSN:09182489)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.40-55, 2021-08-08 (Released:2021-08-13)
参考文献数
22
被引用文献数
1

心理療法(治療)の本質は自然治癒力の利用にあるようだが、換言すれば、それは自己認識あるいは自己発見にも通じてくるものである。治療者がなすのは、こうした方がよいとか、こうすべきだとか忠告や助言をすることではない。たとえば、ユング派の心理療法家J.ヒルマンは、理解するには鏡が必要だという。患者と治療者との相互の間に(対話という)鏡があって、(会話を介して)相手の心を(相互の心に)映し、そうして理解するのだ。このような人間関係は治療者̶患者間ばかりでなく、一般人であるわれわれにも有効な普遍性を有するツールとなるように思われる。本研究では、「対話の鏡」を始め、心の中の鏡の存在とその在り様(特にその所在)について、様々な事例を挙げ、それらをユング心理学の考えを基礎に分類整理し、心の構造を明らかにすることが目的である。結論として、心の深さ(層状)に応じて種類の異なる複数の鏡が存在し、その最も深層に鏡元型が存在することが示唆された。

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意識と無意識の界面にあるという考えもあるみたい。 あとフォロワーさんに教えてもらった、ミラーユニバースはguardianなどでも解説があったらしいけど、まさに時間が逆向きに流れるパラレルワールドを考察する理論みたいでさらにドキドキ

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