著者
神野 由紀
出版者
マーケティング史学会
雑誌
マーケティング史研究 (ISSN:24368342)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.96-104, 2022-03-31 (Released:2022-03-31)
参考文献数
14

近代初期の日本における消費文化をつくりだした百貨店は,試行錯誤を繰り返しながらその後のマーケティングの前史となるような,新たな市場開拓やブランディングを展開して顧客の潜在的な欲望を喚起した。初期百貨店では,広告をはじめとするデザイン・ディレクションや文化活動,呉服をはじめとする様々な商品における流行操作,子ども用品や家具・室内調度品などの商品開発に至るまで,積極的にかかわりながら市場を開拓していく状況が見られた。明治末から昭和初期にかけての日本の消費文化は,中間層を巧みに消費者として取り込むことで急速に発展していった。その先駆的な試みはその後に続く日本のマーケティング史の源流のひとつとして,学ぶべき点は多いと思われる。本稿では,筆者のこれまでのデザイン文化史的な百貨店研究を,マーケティング史という視点から捉えなおした。

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PDFあり。 ⇒神野 由紀 「マーケティング史からみた日本の初期百貨店」 『マーケティング史研究』第1巻第1号 (2022) https://t.co/DiVCLDyvBc

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