著者
乾 康代
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.968-973, 2015-10-25 (Released:2015-11-05)
参考文献数
17
被引用文献数
2

本研究は,わが国の原子力開発黎明期の原子炉の立地規制と周辺開発規制の枠組みがつくられた経緯と背後の事情を検討した。主な結果は,1)わが国の原子炉立地審査指針は,アメリカの立地基準をほぼ引き写して作成され,周辺開発規制は不要という考えも継承した。2)わが国初の原子炉受け入れ自治体となった茨城県は,国の「原子力センター」構想を率先することを表明,東海村を工業地帯化することを開発目標とした。3)その結果,地元の茨城県でも,原子力委員会が提案した原子炉周辺のグリーンベルトと人口抑制区域の設定を受け付けず,県が策定した原子力施設地帯整備基本計画では,わずかな公園と緑地が設定されるにとどまった。4)東海村では原発の周辺開発がすすむとともに,東海村につづくその後の全国の原発立地地域にも周辺の開発規制なしの原発立地が定着した。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (3 users, 3 posts, 0 favorites)

(つづき)都市計画学会で発表した論文は5本。『原発都市 歪められた都市開発の未来』にまとめました。 東海村関係 https://t.co/0MUAh06bR2 https://t.co/YeLrTAo8Xw ドイツ・ルブミン村関連 https://t.co/9idMq1AJ1b https://t.co/C0RmTUyrEB イギリス関係 https://t.co/KfkCCYaWfJ
原発建設に伴う移転をお願いされた事例なんてのもありそうな気がする。 https://t.co/9ta5vPtQmI

収集済み URL リスト