著者
田名部 尚子
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.249-255, 1980-09-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
16

水平式ポリアクリルアミドグラジエント薄層ゲル電気泳動法によって, キジ目のニワトリ, ウズラ, キンケイ, ハッカン, ガンカモ目のアヒル, バリケン, ハト目のハトの卵白タンパク質の泳動像を比較した。キジ目のニワトリとウズラでは, オボアルブミン域の泳動帯に染色濃度の差が認められたが, このオボアルブミンを含む卵白タンパク質の泳動帯の種類と易動度が比較的よく一致していた。ハッカンとキンケイの泳動像は比較的よく似ていたが, ハッカンとニワトリの泳動像はかなり異なっていた。ガンカモ目のアヒルとバリケンの泳動像はよく似ており, これらのオボアルブミン域の泳動帯の構成がキジ目のものと異なっていた。卵白タンパク質の泳動像の目間の相違は属間の相違より大きかった。ウズラ卵白タンパク質はNo. 1~13の泳動域の泳動帯に分離された。No. 5のオボアルブミンA1とNo. 2のプレアルブミンには新たな個体変異が見出された。No. 5にはA, AB, Bの3種類の表型があり, これはOv-1座上の共優性遺伝子Ov-1AとOv-1Bで支配されており, その遺伝子頻度はそれぞれ0.875と0.125であった。No. 2にはA, AB, Bの3種類の表型があり, これはPa座上の共優性遺伝子PaAとPaBで支配されており, その遺伝了頻度はそれぞれ0.419と0.581であった。トランスフェリンには, AB, B, BCの個体変異があり, これはTf座上の共優性遺伝子TfA, TfB, TfCで支配されており, その遺伝了頻度はそれぞれ0.012, 0.819, 0.169であった。No. 11のオボグロブリンG2には, A, AB, AC, B, BC, Cの6種類の個体変異の存在が認められたが, その遺伝支配については不明であった。

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https://t.co/RW91acQkXH こちらの論文に書いてありましたが、ハトの卵の白身は他の鳥に比べて分子量が圧倒的に高く、またその構成タンパク質も他の種と比較して種類が少ないようです。 ハトは原始的な鳥であるため大きな分子量で少ない種類の構成タンパクなんでしょうか…?

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