著者
西山 久吉
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-11, 1978-01-30 (Released:2008-11-12)
参考文献数
188
著者
田名部 尚子
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.249-255, 1980-09-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
16

水平式ポリアクリルアミドグラジエント薄層ゲル電気泳動法によって, キジ目のニワトリ, ウズラ, キンケイ, ハッカン, ガンカモ目のアヒル, バリケン, ハト目のハトの卵白タンパク質の泳動像を比較した。キジ目のニワトリとウズラでは, オボアルブミン域の泳動帯に染色濃度の差が認められたが, このオボアルブミンを含む卵白タンパク質の泳動帯の種類と易動度が比較的よく一致していた。ハッカンとキンケイの泳動像は比較的よく似ていたが, ハッカンとニワトリの泳動像はかなり異なっていた。ガンカモ目のアヒルとバリケンの泳動像はよく似ており, これらのオボアルブミン域の泳動帯の構成がキジ目のものと異なっていた。卵白タンパク質の泳動像の目間の相違は属間の相違より大きかった。ウズラ卵白タンパク質はNo. 1~13の泳動域の泳動帯に分離された。No. 5のオボアルブミンA1とNo. 2のプレアルブミンには新たな個体変異が見出された。No. 5にはA, AB, Bの3種類の表型があり, これはOv-1座上の共優性遺伝子Ov-1AとOv-1Bで支配されており, その遺伝子頻度はそれぞれ0.875と0.125であった。No. 2にはA, AB, Bの3種類の表型があり, これはPa座上の共優性遺伝子PaAとPaBで支配されており, その遺伝了頻度はそれぞれ0.419と0.581であった。トランスフェリンには, AB, B, BCの個体変異があり, これはTf座上の共優性遺伝子TfA, TfB, TfCで支配されており, その遺伝了頻度はそれぞれ0.012, 0.819, 0.169であった。No. 11のオボグロブリンG2には, A, AB, AC, B, BC, Cの6種類の個体変異の存在が認められたが, その遺伝支配については不明であった。
著者
吉田 實
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.102-108, 1988-03-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
16
被引用文献数
2

対照飼料の大豆粕や魚粉等と置き換えてビール酵母を16%配合した試験用飼料を,雌鶏に12週間給与した後種卵をとり,ふ化して雛を得て,その雛を親鶏と同じ飼料を給与して212週間飼育した。実際の養鶏場で採卵鶏をこれ程長く飼育することはないであろうから,100週齢で飼育を打ち切ったものとして成績をまとあた。試験には,NとOの記号で示した2種類のビール酵母を用いた。雛は昭和51年春に20週齢となり産卵を始めた。20週齢から100週齢までの80週間の産卵成績を,8週間を1期とする10期に区分して取りまとめた。産み初めの16週間は,対照区とビール酵母区の産卵率に差はなかったが,夏から秋に向けて対照区の産卵率が低下するときに,ビール酵母区の産卵率の低下が緩慢で産卵率に有意差を生じた。また翌年の昭和52年春の,冬季に低下した産卵率が回復する時期にビール酵母区の回復が著しく,再び有意差を生じた。結局,80週間の平均ではビール酵母区の産卵率が約7%高かった。飼料摂取量には大差がなかった。ビール酵母区の卵重は対照区の卵重より少し軽いが,産卵率が高いので,産卵日量ではビール酵母区のほうが約3g, 8%多い。ビール酵母には,対照区の産卵率が低下する時期に産卵率の低下を防ぐ活性化因子が含まれていることが示唆された。80週齢前後で,産卵鶏を更新する時期に,ビール酵母区は対照区より約10%高い産卵率を維持していて,更新時期を遅らせることができる。

3 0 0 0 OA W.P.S.J.,の紹介

出版者
日本家禽学会
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.389-390, 1990-09-25 (Released:2008-11-12)
著者
太田 能之 石橋 晃
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.81-89, 1995-03-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
20
被引用文献数
8 7

メチオニン欠乏および過剰によるブロイラーの生産能の低下とそれに対するグリシンの緩和効果の理由を明らかにするため,2つの実験を行った。実験1では,トウモロコシ-大豆粕飼料に段階的にメチオニンを添加してブロイラーの最大生産能の至適なメチオニン水準を求あた。実験2では不足および過剰メチオニン飼料給与時の生産能低下に対するグリシンの緩和効果について調べた。最大成長はメチオニン水準は0.46%,最大成長の70%は0.26および1.56%で得られた。そこで試験2では0.26%, 0.46%と1.56%区を選び,それに0.6%のグリシンを添加した。メチオニン過剰により成長は70%まで低下したが,グリシン添加によって88%まで緩和された。メチオニン欠乏による成長低下はグリシンでは緩和されなかった。体重に差がないにも関わらず,腹腔内脂肪含量はメチオニン過剰では欠乏時に比べ低かった。腹腔内脂肪含量はグリシン添加によって60%までしか回復しなかった。血漿メチオニン濃度はメチオニン過剰飼料によって急激に増加し,グリシン添加によって減少した。血漿グリシン,トレオニンおよびセリン濃度はメチオニン過剰によって低下しなかった。
著者
今枝 紀明 目加田 博行 川合 昌子 海老沢 昭二 山崎 猛
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.267-274, 1984

4および10月に白色レグホーン種とブロイラー各1銘柄を用い,入雛温度を標準的な35°Cから30°C,さらに25°Cまで低下させた場合のひなの発育体重,育成率,飼料摂取量ならびに飼料要求率に及ぼす影響について電熱バタリー育雛器と環境試験室を使用して調べた。さらに白色レグホーン種については,産卵成績と電熱バタリー育雛器内におけるひなの就寝状態および消費電力量を調べ,実用的な育雛温度の低減化について検討した。<br>30°C区の発育体重,育成率,飼料摂取量ならびに飼料要求率は,白色レグホーン種ブロイラーとも35°C区とほとんど差はなかったが,25°C区は35°C区や30°C区に比べ4週齢までの発育体重,育成率および飼料要求率が劣っており,育成率や飼料要求率には有意差が認められた。とくに育成率については,入雛1週間以内のへい死率が高く,給温期間中(0~4週齢)その影響が強く残った。しかし,9週齢の体重,育成率には,一定の傾向がみられなかった。また,25°C区の飼料摂取量は,4週齢まで他の2区と大差なかったが,4週齢以降多くなる傾向がみられた。<br>ひなの就寝状態は,30°C区ではとくに問題となる状態を示さなかったが,25°C区では入雛後4日までヒーター直下に群がっており,明らかに温度不足の状態を示していた。また,35°C区ではむしろ暑すぎる様子がうかがえた。<br>消費電力量は,入雛温度を5°C下げることによって81.4%,10°C低下させることにより86.7%の節約ができた。<br>産卵成績は,30°C区および25°C区ともに35°C区と大差なく,育雛温度の低減化による影響はみられなかった。
著者
坂井田 節 塩谷 栗夫 田中 稔治
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.44-49, 1987-01-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
16
被引用文献数
8 7

木酢液を主成分とする製剤が鶏の産卵成績や卵質におよぼす影響について検討した。本製剤は,広葉樹の樹皮や木片を乾留して得られる液体を精製したものに,コンフリーやセルラーゼ系酵素を添加し,この液体を4倍量の軟質炭素末に吸着させたものである。この製剤を1.5~2.0%飼料添加して産卵鶏に投与したところ,実験-1では産卵率が対照区より2.9%上回り,実験-2においては4.1~4.4%上回り,統計的にも1%水準で有意差を生じた。飼料要求率については,実験-1において対照区より0.06下回り,実験-2においては0.17~0.18下回り,統計的にも1%水準で有意な改善傾向が見られた。卵殼強度については,対照区2.84,投与区3.09となり,投与区が1%水準で有意に高い値を示した。卵白高,卵黄高,ハウユニットについては,当日卵では区間に差を生じなかったが,貯卵期間が長くなるのに伴って投与区のほうが高い値で推移する傾向を示した。このため区間および区×貯卵期間の相互作用項は1%水準で有意であった。これらの実験結果から本製剤の投与は,産卵成績や卵質について改善効果のあることが示唆された。
著者
一色 泰 中広 義雄
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.71-77, 1975-03-20 (Released:2008-11-12)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

単冠白色レグホン種雄ヒナを初生時より同一飼料で飼育し, 腸管各部位の発達程度ならびに腸糞および盲腸糞の排泄量と排泄回数について成育期別に調べ, 次のごとき結果が得られた。1. 十二指腸, 小腸 (十二指腸を除く), 盲腸および直腸について体重100gあたりの重量, 長さおよび表面積をそれぞれ測定した結果, いずれもふ化後10日では大きな値を示したが, その後急激な低下がみられ, 60日以降はほぼ恒常的な値を示した。2. 30日齢では1日あたり腸糞を44g排泄し, その排泄回数は51回であった。しかし60日齢以降120日齢では, 排泄量は30日齢時の約2倍, 排泄回数は約2/3で一定となった。一方盲腸糞の排泄量は, 30日および60日齢では1日約69であったが90日および120日齢では3~2gに減少した。またその排泄回数は, 30日から120日齢まで減少した。
著者
今西 禎雄 古田 賢治
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.30-35, 1992

動力噴霧機を使用して水洗する場合に付着細菌の除去に影響する主な要因として使用する水量,水流の噴射圧,水流の温度及び擦り洗いの実施が考えられる。これら要因の影響について鶏舎床面の付着菌数の減少を指標として検討した。次に,水洗効果を高める目的で予め市販畜舎洗浄剤を散布し,上記の各実験の結果から効果が高まると考えられた条件を組合せて実験を行った。また,鶏舎の建築資材を水洗し,水洗による細菌の除去が容易な資材について検討した。<br>1)使用水量を4,6及び8<i>l</i>/m<sup>2</sup>としても,水流の噴射圧を80及び150kg/cm<sup>2</sup>にしても,また,ノズルから噴出する水流温度を100°Cとしても,菌数の減少率はいずれも水洗前の菌数の10<sup>-1</sup>程度であった。一般的な水洗条件である水量6<i>l</i>/m<sup>2</sup>,噴射圧25kg/cm<sup>2</sup>,無加温の水流による菌数の減少率と差は認められなかった。6<i>l</i>/m<sup>2</sup>の水量で水流が当たっている部分の床面をデッキブラシにより6,9及び12回擦って洗うと減少率はそれぞれ10<sup>-1.4</sup>,10<sup>-2.1</sup>及び10<sup>-2.4</sup>となり,擦り洗いをしなかった場合の減少率10<sup>-0.7</sup>に比べ細菌数の減少が大きかった。<br>予め畜舎洗浄剤の0.2%液,0.6l/m<sup>2</sup>を散布した床面を水量8l/m<sup>2</sup>,噴射圧80kg/cm<sup>2</sup>,水流温度100°C,擦り洗い9回として水洗したところ,水洗後の菌数は10<sup>-5.4</sup>/cm<sup>2</sup>,減少率は10<sup>-2.5</sup>となった。動力噴霧機の水流を主体とした水洗ではこの程度の減少率が限界であると考えられる。<br>2)水洗により除去される菌数が少ない資材にはベニヤ板,コンクリート床面,スレート板,木板,錆のある亜鉛鉄板があり,減少率は10<sup>-0.9</sup>-10<sup>-1.3</sup>の範囲にあった。細菌が除去され易い鶏舎建築資材はプラスチック板,化粧ベニヤ板,錆のない亜鉛鉄板で,減少率は10<sup>-3.2</sup>-10<sup>-4.1</sup>であった。市販断熱材の減少率は10<sup>-2.5</sup>でその中間であった。菌数減少率については上記3群間に有意差(P<0.01)が認められた。
著者
近宗 干城 金井 幸雄
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.236-241, 1978
被引用文献数
1

白色型と褐色型のウズラを交配し, それから分離した野生色型, 白色型, 暗色型, 褐色型, 暗白モザイク型および褐色モザイク型の遺伝について調査した。その結果, これらの羽色型は2対の常染色体性遺伝子の組合わせによって決定されることが示された。<br>すなわち, 有色羽の色は2つの対立遺伝子の組合わせをよるもので, 暗色羽は単一の遺伝子+<sup>D</sup>により, また野生色は+によって決定する。+<sup>D</sup>は+に対して不完全優性で, これらのヘテロ型 (++<sup>D</sup>) は両者の中間色である褐色となる。<br>他方, 有色羽と白色羽の分布は, これとは別個の2つの対立遺伝子の組合わせによって決定する。白色羽は単一遺伝子<i>i</i>による。これはメラニン色素の沈着を抑制する作用をもち, この遺伝子のホモ型である<i>ii</i>は, 頭頂部と背部に小さな有色の斑点があらわれる以外全身白色羽装となる。有色羽は<i>i</i>の対立遺伝子である<i>I</i>によるもので, この遺伝子のホモ型 (<i>II</i>) は全身有色となる。これらのヘテロ型(<i>Ii</i>) では, +<sup>D</sup>+<sup>D</sup>あるいは++<sup>D</sup>と共存する場合は白色とのモザイク型になるが, ++と共存する場合は, <i>Ii</i>は++に対して下位であるため野生型となる
著者
後藤 和文 高橋 陽子 中西 喜彦 小川 清彦
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.27-33, 1988

鶏の受精卵を使って,本来は卵殻内で行われる胚の発生•発育を,台所用ラップを利用した培養器内で行い,ふ卵開始後72時間以降の一連の過程を観察した。いずれの個体もふ化までに至らなかったが,培養器素材とした台所用ラップ2種(ポリエチレン製,ポリ塩化ビニリデン製)の胚発生に及ぼす影響を比較し,また,減菌した粉末状卵殻を添加することによる奇型発生への影響についても検討し,以下の結果を得た。<br>1) 本実験条件下での胚の生存率は,ふ卵開始後10日目で60.7%,15日目で41.1%であり,20日目までにほとんどの胚は死亡した。しかし20日以上生存したものが107例中7例見出され,最長生存日数は23日であった。<br>2) 培養胚の成長状態は,体重,くちばし長,脚部の長さ等を指標とした場合,通常ふ卵区のものに比べ,ふ卵12日目以降,徐々に遅延がみられ,16日目以降では約2日の遅延が認められた。しかし,体肢の大きさとは無関係に,ふ化日に近づくにつれ,通常ふ卵区のものと同時期に,卵黄の腹部への吸収が行われた。<br>3) 培養器素材として用いたポリエチレン製ラップは,ポリ塩化ビニリデン製のものに比して生存率が高かった。<br>4) 卵殻の添加により,くちばし•足指における奇型の発現が低減することを見出した。
著者
イダマルゴダ アルナシリ 杉山 道雄 荒幡 克己 小栗 克之 甲斐 諭 柳 秦春
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.234-244, 1998
被引用文献数
1

世界主要都市における鶏卵価格の内外価格差は,かなり大きいことが指摘されてきたが,その卵価水準に最も影響する生産費と流通マージンの国際比較分析について飼料費を除き,殆ど研究されていない。研究は国内でなされても国際比較はなされていないのは,生産費の概念が統一されず,不明確であったことにもよっている。<br>本研究は鶏卵生産費の概念を直接費(飼料費十ひな費)と間接費(労働,建物費,機械,道具費,農薬費等)として,1996年世界20ヵ国の政府,大学機関にメールメリッドで調査票を送付し,15ヵ国につき回答を得て比較分析を行ったものである。調査国にはアメリカ,カナダ,イギリス,オラング,ブラジル,インド,中国,バングラディシュ,ネパール,スリランカ,イラン,サウジアラビア,日本,韓国,台湾の15ヵ国である。これらの国は低生産費国,中生産費国,高生産費国に大別されるが,低生産費は高生産費国である日本の1/3近くで生産している。低生産費国の主な要因は単に飼料費が安いばかりではなく,安い労働費の影響が大きい。中生産費国は主としてアメリカなどで,近代的技術ばかりでなく,飼料費が安いことに基づく。高生産費国は飼料の輸入国であり,やや高くなるばかりでなく,賃金が高くなる。高労働費を節約するため施設化が進む場合,労働費や施設費を個々に比較するのでなく,同じく労働節減機能をもつものとして施設•労働費として比較されるべきである。<br>マーケティングマージンをみると,日本はその近代的設備を導入しているものの,労賃率は高く,飼料費も高い。<br>これらの結果から,各国に生産費,価格水準の比較に当たっては飼料費,雛費の直接費ばかりでなく間接費が重要となる。とくに間接費のうちでも労働費,施設費を合体した施設•労働費として比較すべきである。
著者
坂井田 節 横山 義彦 塩谷 栗夫 茶薗 明
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.333-336, 1984

消毒液の噴霧が夏季の鶏舎内温度,湿度の推移,鶏の飲水量,排泄鶏糞中の水分含量におよぼす影響を調査し,夏季における防暑対策としての効果を検討した。1棟3,360羽収容のウインドウレスケージ鶏舎2棟を用い,対照区は消毒液の噴霧を実施せず,処理区は毎日午後1時に180秒間の噴霧を実施した。<br>(1)晴天の日180秒間の噴霧によって鶏舎内温度は,32.6°Cから28.0°Cに低下し対照区に比べて4.6°C低下し,2時間後においても対照区より0.6°C低かった。一方湿度は一時的に63%から90%に上昇し,対照区に比べ27%高くなったが,15分後には73%に低下し対照区と比べて11%高かった。2時間後には3%の差となった。<br>(2)噴霧による鶏舎内温度の低下にともなって,処理区の飲水量は1日1羽当り186m<i>l</i>となり,対照区の215m<i>l</i>を29m<i>l</i>下回り,5%水準で有意差が認められた。<br>(3)糞中水分含量は対照区80.6%,処理区79.0%となり,処理区が1.6%低下し,1%水準で有意差が認められた。
著者
岡林 寿人 横山 秀徳 田名部 雄一
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.116-122, 1999-03-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
6

日本在来アヒルのアオクビアヒルとナキアヒルの血液タンパク質多型について分析し,その遺伝子構成を他のアジア在来アヒル(ペキン,白色ツァイヤ,改良大阪,インドネシア在来アヒル,ベトナム在来アヒル)やマガモと比較した。水平式デンプンゲル電気泳動法ならびに水平式ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により多型を分析した血液タンパク質はこれまでに多型が見いだされている次の10種類である。血漿エステラーゼ-1(Es-1),血球エステラーゼ-3(Es-3),血球エステラーゼ-4(Es-4),血球エステラーゼ-D2(Es-D2),血漿ポストアルブミン-1(Pa-1),血漿ポストアルブミン-4(Pa-4),血漿ポストアルブミン-1(Ptf-1),血漿ホスフォヘキソースイソメラーゼ(PHI),血球酸性ホスファターゼ-2(Acp-2)および血漿ロイシンアミノペプチダーゼ-2(LAP-2)。ナキアヒルにおいては他のアヒルに比べて,Pa-1BおよびLAP-2Aの頻度がやや高い傾向を示し,Ptf-1BおよびEs-4Aが低い傾向を示した。アオクビアヒルにおいても他のアヒルに比べて,LAP-2Aが高い傾向を示し,PHIAおよびEs-4Aが低い傾向を示した。品種間の遺伝的距離を基に枝分かれ図を描いた。また遺伝子頻度の分散共分散行列による主成分分析を行い,第一~三主成分得点による三次元の散布図を描いた。これらにより,アオクビアヒル,ナキアヒルともにペキン種,白色ツァイヤ,改良大阪種などで構成される東北アジア在来アヒルのクラスターに属することが示された。また,アオクビアヒルはこのクラスターの中の白色ツァイヤと特に近く,ナキアヒルとは比較的遠い関係にあり,一方ナキアヒルはこのクラスターの中ではマガモ(1)やペキンと比較的近い関係にあることが示された。
著者
東條 英昭 小川 清彦
出版者
日本家禽学会
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.14-19, 1975

鶏コクシジウム免疫の成立には, 感染そのものが重要な要素であることはよく知られているが, その理由について明確な説明はなされていない。<br>本実験は, その理由を知る手掛かりを得るために, 盲腸にはよく発達したリンパ組織が存在していることに着目し, 鶏コクシジウム免疫の維持が, 感染部位の切除によりどのような影響を受けるかを調べたものである。得られた結果は以下に要約するとおりである。<br>1. 結紮手術により閉塞した左側盲腸に対し, <i>Eimeria tenella</i> のスポロゾイトを注入し感染を行ない, その後オーシストを経口感染させたところ, 以前に感染を受けていなかった右側盲腸がオーシストによる経口感染に対して充分な抵抗性を示した。また左側盲腸に同様の処置をした後, 左右の盲腸に同数のスポロゾイトの注入で攻撃感染を行ない, 5日目に左右盲腸における感染の状況を組織学的に比較観察したところ, 以前に感染を受けていない右側盲腸が以前に感染を受けた左側盲腸とほぼ同程度の感染防御能を示すことが認められた。<br>2. 感染を経た左側盲腸を感染の2.5~3週間目に切除&bull;摘出し, その後, 右側盲腸に対してオーシストの経口感染を行なったところ, その後に排出されたオーシスト数の測定結果から, 切除された鶏の右側盲腸は, 切除されなかった鶏の右側盲腸とほとんど同程度の感染防御能を示した。これは, 感染を経た一側の盲腸が切除された場合にも, その後のコクシジウム免疫は充分保持されていることを示すものである。<br>以上のことから, コクシジウム免疫は, 感染部位に限定されるものではなく, また感染部位の存在とは無関係に全身的に保持されているものと考えられる
著者
中谷 哲郎 桑原 明 井上 京市 木田 芳隆
出版者
日本家禽学会
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.304-310, 1985
被引用文献数
1

甲状腺機能の変動がおもにニワトリヒナの血液アスコルビン酸(AsA)濃度におよぼす影響について検討した。白色レグホーン種およびブロイラー専用種ヒナを用い,甲状腺機能促進剤としてヨードカゼイン(IC),また,甲状腺機能抑制剤としてチオウラシル(TU)をそれぞれ添加した飼料を3週間給与して,甲状腺重量と血液AsA濃度の関係について調べた。また,あわせて増体量,飼料摂取量および飼料効率,副腎および肝臓重量を測定した。<br>1.白色レグホーン種雄ヒナを用い,それぞれ2段階のIC(0.01%,0.03%)およびTU(0.02%,0.06%)添加の影響について調べた実験1において,IC添加による甲状腺重量の有意な減少,一方,TU添加による増体量の有意な減少,甲状腺重量の有意な増加および血液AsA濃度の有意な低下が認められ,これらの変動はIC中谷ほか:甲状腺機能と血液アスコルビン酸 309およびTUの添加量の多い方がより顕著であった。<br>2.ブロイラー専用種雄ヒナを用い,4段階のIC0.003%~0.012%)添加の影響について調べた実験2において,甲状腺重量についてのみ0.006%以上のIC添加で有意な変動が認められ,その重量はIC添加量の増加に反比例して段階的に減少した。また,この場合に血液AsA濃度はやや高くなる傾向を示した。この甲状腺重量と血液AsA濃度との間には有意な負の相関関係のあることが認められた。<br>3.ブロイラー専用種雄ヒナを用い,4段階のTU(0.005%~0.02%)添加の影響について調べた実験3において,甲状腺重量)よび血液AsA濃度について有意な変動が認められた。0.01%以上のTU添加で,添加量の増加に比例して,前者は段階的に増加し,後者は逆に段階的に低下した。また,この甲状腺重量と血液AsA濃度との間には有意な負の相関関係のあることが認められた。<br>4.以上の結果から,ニワトリヒナにおいて,甲状腺機能の変動にともなう甲状腺重量と血液AsA濃度との間には関連があり,甲状腺機能の抑制により血液AsA濃度は顕著に低下するが,甲状腺機能の促進によるその変動はわずかであることがわかった。このことは,ニワトリヒナにおいて,甲状腺機能の抑制がAsAの体内代謝にとくに密接な関係をもつことを示唆するものである。
著者
前田 芳實 MINVIELLE Francis 岡本 新 橋口 勉
出版者
日本家禽学会
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.83-95, 1999
被引用文献数
2

本研究では,INRA(フランス国立農業研究所)で実施された日本ウズラの産卵能力に対する選抜実験(個体選抜法と相反反復選抜法)において,第8世代と第13世代での遺伝子構成と遺伝変異の変化について検討を行った。遺伝的変異性はJouy系統とTours系統に属する6lines(line 1, 2, 3, 4, CおよびD)に対して10蛋白質座位により分析された。変異の量(P<sub>poly</sub>)は世代と共に減少し,第1世代,第8世代および第13世代のP<sub>poly</sub>はJouy系統でそれぞれ0.5-0.6, 0.4-0.5および0.3-0.4,また,Tours系統で0.7, 0.6-0.7および0.5-0.7であった。6系統間のG<sub>ST</sub>は第1,第8および第13世代で0.019,0.076および0.156と計算された。G<sub>ST</sub>の世代に伴う増加はline間の系統分化が進んでいることを示唆している。G<sub>ST</sub>の種々の比較から,遺伝的分化が徐々に進行し,この系統分化の一部には選抜システムの違いが関与していることが示唆された。主成分分析の結果,第8世代では,個体選抜群のline 1とline 2, Jouy系統のline 3とlineC,およびTours系統のline 4とline Dの3群に分けられ,また,第13世代では,対照群(line Cとline D),個体選抜群(line 1とline 2)および相反反復選抜群(line3とline 4)に分けられた。遺伝的距離の結果から,本研究での13世代にわたる選抜はINRAの系統間の遺伝的分散を大きくし,それには選抜様式の効果と遺伝的浮動が関与していることが示唆された。