著者
熊野 宏昭
出版者
日本不安症学会
雑誌
不安症研究 (ISSN:21887578)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.34-42, 2014-09-30 (Released:2015-03-26)
参考文献数
11

パニック障害と広場恐怖に対する認知行動療法は,精神疾患に対する根拠に基づく心理的治療法としては最も成功したものの一つであり,多くの効果研究やメタ解析が報告されている。実証的に支持された認知行動療法プログラムには,エクスポージャーや行動実験,リラクセーションや呼吸の再訓練法,心理教育と認知的介入,ホームワークなどの共通の要素が含まれているが,近年のメタ解析の結果からは,エクスポージャーとリラクセーションの効果が高い。エクスポージャーでは,恐怖条件づけを消去するために,一つの状況で喚起される恐怖や不安が十分に低減されるまで継続することが必要とされてきたが,近年の研究では,むしろ新たな連合学習である制止学習が成立することの重要性が指摘されている。制止学習を促進するためには恐怖や不安が低減される必要はなく,むしろ安全確保行動をすることなく恐れている症状や知覚などを十分に体験し,それでもパニック発作は起こらないことを学習することが必要である。安全確保行動を行わずに十分に制止学習を進めるために,エクスポージャーを行う際のアクセプタンスの役割が注目されるようになってきている。

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安定の熊野先生のわかりやすい文章。ACTの事例ものってる。エクスポージャー → 制止学習 - パニック障害の認知行動療法 https://t.co/JVtBo1P6BB
@gestaltgeseltz @apple_forest21 認知行動療法の短期的なアウトカムについてコンポーネントや面接回数の影響を検討した研究をときどき見かけますが、再燃率や再発率について検討した研究はほとんど知りません。… https://t.co/RlZEm8BTlV

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