著者
栃木 衛
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.84-87, 2016 (Released:2018-02-08)
参考文献数
24

湾岸戦争病は,湾岸戦争終了後の多国籍軍側の帰還兵士にみられた関節痛,疲労,筋肉痛,頭痛,忘れやすさ,集中困難,気分の落ち込み,不眠,発疹などの種々の症状に対して,欧米を中心とするマスコミが呼称しはじめたものである。化学兵器への曝露やその予防薬,感染症や多種ワクチンの同時接種,砂漠に特有の諸環境,劣化ウランへの被曝,炎上した油井からの煙の吸入,精神的ストレスなどが原因として検討されてきたが,原因は未だ不明であり,湾岸戦争に由来する特異な病態ないし,新規の疾患の存在自体を疑問視する向きもあるのが現状である。一方,帰還兵に対して行われている追跡調査からは,低用量の神経剤曝露の長期的な影響が改めて問題とされている。本稿では,化学兵器曝露,中でもサリンへの低用量曝露と,精神的ストレス,とりわけ心的外傷後ストレス障害(PTSD)の影響という 2 つの観点から湾岸戦争病とサリン後遺症の共通点について考察した。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (3 users, 4 posts, 3 favorites)

@GALSHofficial 戦争の悲惨さ、舞台の裏側を伝えるのも1つ。例えば湾岸戦争の帰還兵の30%がPTSDや劣化ウラン弾による被曝により頭痛・疲労・不眠等になり日常生活に戻れず苦しんだ。戦争は相手の命を奪うだけなく、自国の兵士すら蝕む残酷なもの。私なら子どもにそうなって欲しくありません。 https://t.co/BsINtvBTsQ

収集済み URL リスト