著者
加賀 佳美
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.37-44, 2021-02-01 (Released:2021-02-01)
参考文献数
47

注意欠如多動症 (ADHD) は, 多動衝動性, 不注意を主体とする神経発達症の一つとして知られている。その診断は, 保護者や教育者からの聞き取りや質問紙によって行われ, 主観的評価法が主体である。近年発達した非侵襲的脳機能評価法として, 脳波周波数解析, 事象関連電位 (ERP), 機能的近赤外線スペクトロスコピー (fNIRS) などが知られ, 神経発達症の客観的評価法として注目されている。ADHDでは, 前頭葉の機能低下などから, 異なるパターンの周波数分布やNoGo電位のようなERPの振幅低下や潜時延長, fNIRSによる前頭葉の酸素化ヘモグロビン (OxyHb) の低下などが報告されている。これらの検査法は治療の効果判定や症状の経時的変化などに有用であると報告されており, 非侵襲的脳機能測定法は神経発達症の診断や治療の点から臨床応用に期待可能な手法となっている。

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https://t.co/I6MQy7ZogM https://t.co/cEKb64UcVg
こちらはADHDの非侵襲的脳機能j評価法に関して(脳波やfNIRS) 読みやすくまとまってます 「今後客観的診断の補助ツールとして期待できると考える」であり(同意!)。現時点で脳波だけでADHDを診断できることを肯定する文献はない。これからに期待。だからこそ極端なのは… https://t.co/pxUq5TaPlR
@konsye221 @aoba1310 これのエビデンスの正しさはよくわからんけど一応あるんよ。 https://t.co/ImiZCBIddt
@Tqx1QAFgRytOF41 https://t.co/o6ET9K6SwT こちらなどご参照ください。
お暇でしたらこういうのもご覧ください。言語化が困難な児童のADHDの治療効果判定などに今後有益であるとは思います。しかし現在のところ発達障害において非侵襲的脳測定法のみでの確定診断はできないという結論になるのではないでしょうか。今後の検査精度の上昇に期待です https://t.co/o6ET9K6SwT
シータ/ベータ比は子供のADHDでは増加が見られるが、大人は異なる結果を示すという記述のある文献も見つけましたが......。 https://t.co/prdtjRvbMO 左右のバランスも悪いですね! でもクリエイティブな活動には向いてると言われました。 https://t.co/XuYW8WzWXe

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