著者
宇佐美 政英
出版者
日本精神保健・予防学会
雑誌
予防精神医学 (ISSN:24334499)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.16-24, 2019 (Released:2020-12-01)
参考文献数
29

本シンポジウムでは、思春期の発達障害の多様性について、Irritabilityを中心に総括した。思春期における自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症を代表とする発達障害を抱えた子どもたちが、思春期になって初めて医療機関に登場することがある。思春期になった発達障害児たちは、その固有な症状よりも不登校・家庭内暴力などの多彩な問題に直面していることがある。これらの症状の背景に幼少期から抱えてきた不全感や、Irritabilityとして表出される抑うつ感が潜んでいることがあり、臨床医たちはこの不全感やIrritability共感的に接することを忘れてはならない。特に思春期の発達障害おけるIrritabilityは周囲との軋轢や問題行動と関連するなど、低い自己肯定感を強化しさまざまな精神症状を誘発するKey症状として理解しなくてはならない。

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