著者
村井 春雄
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3-4, pp.260-264, 1939-12-31 (Released:2010-09-09)

元來オゾンの身體に及ぼす益は何人も認むる處なれ共主として吸入療法に用ひられて居るなり.然るに余は最近硬質硝子製の純粹オゾン發生器を入手せるを以て, 先づ試みにオゾン吸入に依り緩和さるる喘息様疾患及び其の殺菌鎭靜作用の應用に依り效力を思考さるる一二の外科的疾患に應用し見たるに何れに於ても豫想外の成績を納めたり.即ち完全なる氣管枝喘息發作患兒4例中1例は唯1囘, 3例は3囘のオゾン注射 (20.0c.c.宛胸部の皮下に施行す) のみにて全く全治したり.尚百日咳或は氣管枝加答兒の經過中合併し來れる4例の喘息様症状の例に於ては僅か1-2囘の同様注射に依りて明かに其の合併状態を消失せしむるを得たり.且1例の脊椎カリエスは1年有餘の局所疼痛を1-2囘の局所注射に依りて忘れしむるを得, 約10囘にして10糎の右彎を矯正し得たり.又1例の打撲性の股關筋痛をも唯1囘の局所注射に依りて完治せしめ得たり.1例の大腸加答兒に於ては3囘の注射により腹痛を去り, 急激に便性を良好ならしむるを得たり.

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