126 1 0 0 OA 陰茎絞扼症の1例

著者
永田 篤文 小川 良雄 檜垣 昌夫 吉田 英機
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.527-530, 1988-08-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
17

陰茎絞扼症の1例を報告する.症例は32歳, 既婚男子.悪戯にて鋼鉄管を陰茎に挿入後, 抜去不可能となり陰茎絞扼, 陰茎腫脹, 尿閉を主訴に来院した.鋼鉄管は消防署所有の空気鋸を用いて切断除去し得た.絞扼時間は約8時間であった.尿道損傷および勃起障害を認めなかったため, 術後12日めに退院した.
著者
小嶋 信博 岡 壽士 宮山 信三 浜井 直人 岩井 裕子 木村 一雄
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.601-604, 1987-08-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
7
被引用文献数
1

経肛門的直腸異物を2例経験したので報告する, 症例1: 25歳, 男性。自慰行為にてウイスキーのミニボトルを経肛門的に挿入.腰椎麻酔下にて非観血的に異物を抜去したが, 術後2日目になって腹膜刺激症状, 腹腔内遊離ガス像が出現開腹手術を施行し, 直腸前壁に穿孔を認めた, 症例2: 36歳, 男性自慰行為にてシャンプー瓶を経肛門的に挿入, 腰椎麻酔下にて非観血的に異物を抜去し, 術後経過は順調であった.本邦においては経肛門的異物の報告は少いが, 今後は増加することが予想され, その治療には苦慮する点も多い.われわれの経験した2症例に若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
広田 曄子 星山 佳治 川口 毅
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.30-36, 1997-02-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
14

初生養護が小児科領域の医書の中でどのように記載されているかについて歴史的流れの中で文献学的に検討した.その結果, 初生養護は小児科領域の医書において治療や臨床医学的処置だけでなく予防医学の観点からも重要なこととして古くから詳細な記載がされてきた.中国の「千金方」をはじめ「小品方」などの医学の伝承を受けて平安時代に丹波康頼によって我が国で最初に編纂された「医心方」に記載されており, 以来江戸時代にいたるまで多くの医書においてもほぼ同様の記載となっている.しかし, 江戸時代後期になると従来の初生養護にかかわる処置を継続しようとする古方派と従来の考え方を否定し新しい知見に基づいた有持桂月等をはじめとする新しい日本独自の初生養護に対する考え方の台頭など江戸時代にはかなり自由な思考が数多くなされており, まさに百家争鳴の感がある.さらに, この時期には離乳や臍ヘルニアの治療といった新しい治療などの記載や予防的観点から厚着をさせないことや満腹するまで乳を与えない, あるいは日光浴をさせ風邪の予防に心掛けるなど今日の予防医学においても通用するいくつかの知見がみられた.このように我が国の医書にみる初生養護の変遷について振り返ってみることにより現在の新生児に対する保健予防や治療においても通用する知見も多く見られ今後の医療発展にも大きく貢献する事が期待された.
著者
北村 勉
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.92-102, 1993-02-28 (Released:2010-11-19)
参考文献数
30

不妊ないし外性器発育不全を主訴に来院した19例のKlinefelter症候群に対し, 臨床心理学的調査を行い, その結果について検討を加えた.その中の6例に対してtestosterone補充療法を施行し, その結果についても言及した.1) WAIS (Wechsler Adult Intelligence Scale) : 18例中7例 (38.9%) に軽度精神遅滞を認め, 残り11例 (61.1%) はaverage, dull normalの平均水準にあった.11項目にわたる下位検査の検定で, 言語性IQ【ls<】動作性IQが明白で言語領域, 殊に単語問題での低下が有意差をもって示された.すなわち知的水準の検討で質的な不均衡が本症候群で確かめられ, 認知の不安定性が明らかにされた.2) Y-G (矢田部・Guilford性格検査) , TPI (東大式人格目録) , Rorschach testによる人格検査で, 内的・外的統制は不均衡で収縮型を示し, 消極的で自発性に乏しく, 課題の解決様式そして日常的精神生活空間を極力狭小化させ自己の安定を計ろうとする姿勢が浮きぼりにされた.なお, Rorschach testで「反復」, 「無力」, 「当惑」, 「保続」のorganic signに通ずる反応が散見され, 頭部CT (大脳基底核石灰沈着2例) , 脳波所見 (徐波傾向, 境界2例, 著明異常7例) で異常所見が並存するという興味ある所見がみられた.心理検査を補填する上で行った詳細な問診と継時的面接で, 【ls<】大人しい【rs>】, 【ls<】人なつこい【rs>】, 【ls<】消極的【rs>】といった性格特性が再認できた.この所見についてはテスト内容で整合される.さらに, 多少とも爪かみや手指で手背をこすり, 幼児退行を示す行動が再々みいだされた.Testosterone療法の効果を継時的にみたところ, 病像は良性に反応し, この所見は性格と行動面の改善で明白であった.知能の構造的変化はKlinefelter症候群で特異的で, この心理テストでの確認をホルモンの定量投与とのかかわりで検討したいところである.前病性格と病変による性格の二つの問題について今回確答はできなかった.しかし, テストの導入でこの古くて新しい問題がこの疾患で再確認された.単一疾患をモデルにすることで性格のパターン化は可能であり, これは分裂病研究に通ずることを指摘した.精神科・泌尿器科のinterdisciplinaryの調査で, 症状について無知であった患者へのサービスは一層深められ, 不要な不安から患者を解放し, しかも病態の解明は一層容易となることが知らされた.

3 0 0 0 OA 起立性低血圧

著者
河野 律子 荻ノ沢 泰司 渡部 太一 安部 治彦
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.523-529, 2011-12-28 (Released:2012-08-03)
参考文献数
27
被引用文献数
1
著者
山田 眞 塩田 直人 堀 豪一
出版者
The Showa University Society
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.561-563, 1986
被引用文献数
1

55歳男性・昭和61年2月・歩行中に自動車にはねられ近医へ搬入されたが, 呼吸困難, 前胸部痛が軽快しないため, 翌朝, 藤が丘病院へ転送された.来院時, 呼吸数43回/分の頻呼吸を示し, 前胸部は呼気のたびに陥凹を認めたが, 胸部体表に損傷はなかった。胸部X線像で胸骨完全横骨折, および肋骨多発骨折と診断し, 呼吸困難の主因は胸骨骨折にあると判断した.用手的に胸骨骨折の転位を整復したが, 安静を保っても転位を起こすため手術を施行した.全身麻酔下に胸骨骨折部を中聾。約7cmの館正中切開を加えたのみで骨折部, および左右の内胸動静脈を+分に確認することができ, 2本の金属鋼線を用いて胸骨を整腹固定した.放置した肋骨骨おれのための疼痛, 呼吸抑制に対しては, バスとバンドを使用することにより軽快が得られ, 術後第1病日から歩行が可能であった。
著者
石川 直将 高橋 伸佳 河村 満 塩田 純一 荒木 重夫
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.232-237, 2008-08-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
15

Marchiafava-Bignami病 (以下, MBD) 自験8症例において, 急性期および慢性期の症候と病巣について検討した.8例中6例は意識障害にて発症し, 慢性期に構音障害と半球離断症候を呈し, 画像検査にて脳梁に限局した病変を認めた.これらは従来報告されているMBDの臨床像と一致していた.一方, 発症時に意識障害を呈さない例が2例みられた.これは, 発症時の意識障害の存在が必ずしもMBDの診断に必須ではないことを示している.また, 2例では肢位の異常, 固縮などの錐体外路症状がみられ, そのうちの1例ではMRIで両側の被殻に病変が認められた.同様の症例の報告は過去に4例のみであるが, この症候もMBDの症候の1つとして注目される.慢性期には意識障害, 前頭葉症状は消失するが, 錐体路症状が構音障害, 半球間離断症候とともに長期にわたり持続することが示された.以上から, MBDの臨床像は急性期, 慢性期ともに従来考えられていたよりも多彩である可能性がある.従って, アルコール多飲者が急性の構音障害, 歩行障害, 痙攣などを呈し, 局所徴候が明らかでない場合には, MBDの可能性も考え, 画像検査で脳梁病変の有無を確認する必要があると思われた.
著者
清水 泰雄
出版者
The Showa University Society
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.71-83, 1989

〈目的〉筋運動には従来より等尺性運動と等張性運動があったが, 最近, これらの運動の長所を取り入れ, 欠点を改善した等運動がスポーツ医学やリハビリテーション医学の分野で行われるようになったが臨床的にはいまだ不明な点が多い.そこで, 等運動機械により筋力測定を行い, 一流スポーツ選手の筋力特性を種目別に検討した.また, 一流スポーツ選手と一般人の膝関節損傷後のリハビリテーションに等運動訓練を行うと同時に筋力値, 仕事量, トルク加速エネルギー等の筋力要素などから筋力回復過程, スポーツやADLへの復帰について, 客観的に評価しうるか検討した.〈対象〉 (1) 各種目陸上競技選手39名 (2) 一般膝関節損傷例5名 (3) 一流スキー選手膝関節損傷9名である.〈方法〉等運動機器CYBEX II (サイベックス) 及びCYBEX data reduction systemを用いて膝関節運動の筋力測定を行った.〈結果〉 (1) 陸上競技選手の測定, 分析で, 膝伸展最大筋力 (Mean±SD) (FT-LBS) において低速群では投擲 (216.3±48.0) , 短距離 (178.5±36.7) , 跳躍 (174.6±35.0) , 中距離 (140.6±8.4) , 長距離 (132.9±18.4) で瞬発力を要する種目ほど高い値を示した.筋仕事量では高速群ほど高く, 40RPMで各種目の最高値を示し, 投擲 (612.6±192.1) が最も高く, 長距離 (292.8±34.1) が最も低かった.また, 筋仕事量耐久率 (30RPMにおいて) では遅筋線維優位型の長距離, 中距離が高く, 速筋線維優位型の短距離, 跳躍, 投擲では50%以下と低い値を示し, スポーツ医学への応用が可能であると考えられた. (2) 一般膝関節損傷例では膝伸展筋力, 屈曲筋力の最大筋が絶対値は訓練日数とともに直線的, 対数的増加を示し, 筋仕事量, power enduranceの要素も, 筋断面積の増加と単位断面積あたりの筋出力の増加とともに向上していた.また, 患側最大筋力が健側に対して30~50%に達したところでADLへの復帰も可能ではないかと考えられた. (3) スポーツ選手のリハビリテーションにおいては, 筋力絶対値の回復より健側に対する患側の筋力回復率を指標とした方が有効であり5RPM, 30RPMの伸展筋力回復率においては有意水準0.01で訓練日数と直線的増加を示したが, 5RPM, 30RPMの屈曲筋力回復率は訓練日数と相関はみられなかった.スキー選手の現役復帰には回復率が70%に達することが重要であり, また, 瞬発力を要するスキー選手の回復にはピークトルク加速エネルギー (PK-TAE) などの回復も重要な指標であると考えられた.以上よりCYBEX IIによる筋力測定からスポーツ医学, リハビリテーション医学への応用が可能であることが示唆された.
著者
長谷川 真紀子
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.833-842, 1987-12-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
24
被引用文献数
8

股関節屈曲の主作動筋といわれる腸腰筋 (大腰筋と腸骨筋) の筋線維構成を観察し, 両筋を比較するとともに, ヒトの他筋と比較して, その機能的特徴を検討した.研究対象は10%ホルマリン水注入屍から得られた大腰筋左右11対 (男性: 6, 女性: 5) と腸骨筋6側 (男女各3) で, これらはセロイジン包埋, HE染色を施した.また, 45歳女性の未注入屍から大腰筋と腸骨筋を採取し, Sudan BlackB染色を施し, 筋線維を分別し, 前者と対比した.結果: 1.Sudan BlackB染色による所見1) 3筋線維型の比率は, 白筋線維が大腰筋では41.3%で最も高く, 腸骨筋では38.3%で中間筋線維 (40.5%) とほぼ等しく, 両筋とも赤筋線維が少なかった.2) 3筋線維型の太さの平均値は, 両筋ともに, 赤筋線維, 中間筋線維, 白筋線維の順に大で, 赤筋線維の太さは白筋線維の約3倍であった.3) 筋線維密度は, 筋線維型別に見ると大腰筋では赤筋線維が, 腸骨筋では中間筋線維がそれぞれ最も高く, 白筋線維の密度は低かった.これは本筋群の持続的収縮傾向を示すものである.II.HE染色による所見1) 筋腹横断面積は大腰筋では男性が女性よりも優ったが, 腸骨筋では性差を認め難く, 両筋問では男性では差がなかったが, 女性では腸骨筋が大腰筋よりも優る傾向が見られた.これは骨盤部形態の性差に基くものと考えられた.2) 1mm2中の筋線維数は, 大腰筋では性差なく, 腸骨筋よりも多く, 後者では女性の方が男性よりも優る傾向が見られた.3) 筋腹横断面における筋線維総数は両筋とも上腕二頭筋あるいは前脛骨筋に匹敵し, 男性では大腰筋が, 女性では腸骨筋がそれぞれ他よりも多かった.4) 筋線維の太さは腸骨筋が大腰筋よりも優り, 大腰筋は上腕二頭筋, 胸鎖乳突筋, 咬筋等に, 腸骨筋は僧帽筋尾側部, 小菱形筋, 肩甲挙筋等にそれぞれ匹敵し, 両筋とも男性が女性よりも優る傾向が見られた.その分布型は大腰筋では単峰性の左方推移型が, 腸骨筋では多峰性の右方推移型がそれぞれ多く, 大腰筋では退縮傾向が著明であった.5) 筋線維の密度は両筋とも80%前後で, 大腰筋では男性が女性よりも優り, 男女とも加齢的に低くなる傾向が認められた.6) 以上の事から, 本筋は主として股関節の屈曲位の維持に働き, それぞれ大凡上腕二頭筋に近い筋力を有し, 歩行に当って腸骨筋は大腿の外旋にも働き, その傾向は女性で著しいと考えられた.
著者
小出 良平
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.191-202, 2012 (Released:2012-12-14)
参考文献数
13
著者
大坪 天平
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.14-20, 2003-02-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
33
著者
近藤 信太郎
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.150-154, 2012 (Released:2012-12-14)
参考文献数
16
著者
阪本 桂造
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.43-50, 2007-02-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
6
著者
角谷 徳芳
出版者
The Showa University Society
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.481-492, 1981
被引用文献数
1

近年口蓋裂手術は, 言語改善並びに顎発育への影響を考慮する傾向にある.現在われわれの国において主流をしめる手術法はDorrance, Wardill等の開発したpush-back法であるが, これは口蓋への手術侵襲が骨膜下層である為, 顎発育への影響が大きいとする意見があり, Perkoが開発した骨膜上層での手術法を推奨する者が現われてきた.そこでわれわれは, 実験的に正常幼若ラットを使用し, 片側口蓋粘膜を骨膜下に切除したもの50匹, 骨膜上で切除したもの50匹, 侵襲を加えないで成長させたもの50匹を1カ月ごと5カ月間各々10匹づつ断頭し, 乾燥骨としたものの, 口蓋縫合線の変化及び臼歯間横径を測定した.その結果は下記の通りである.以上口蓋裂手術時において現在主流をしめる手術法において骨膜下層での侵襲と骨膜上層での手術侵襲の二通りの方法が存在するが, 単に外科的侵襲のみについてその発育影響を比較するという意味で, ラット口蓋への実験を進めた結果, 骨膜下層までの侵襲は縫合線への影響は大きいが, 口蓋全体の発育に影響を及ぼすほどの侵襲ではないという結果を得た.
著者
稲葉 宏 笠井 史人 國吉 泉 飯島 伸介 東 瑞貴 和田 真一 渡辺 英靖 佐藤 新介 水間 正澄
出版者
The Showa University Society
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.596-601, 2011

〔目的・方法〕回復期リハビリテーション病棟(以下回復期リハ病棟)には,入院に当たって発症・受傷・手術から入院までの入院時発症後日数(発病・受傷・手術より急性期病院を経て回復期リハ病棟へ入棟するまでの期間)が厳密に定められており,一定の入院時発症後日数を超えた患者は入院が困難となっている.そのため,リハビリテーションによる回復が見込まれる患者においても,入院時発症後日数の延長によりその機会を奪われてしまうと想像される患者の存在が以前から危惧されていた.そこで今回,われわれは,回復期リハ病棟設立以前に当院当科へリハビリテーション目的で入院した患者の入院時発症後日数・入院時発症後日数延長の原因・回復期リハ病棟在院日数と転帰(在宅復帰率)の調査を行う事により,入院時発症後日数の予後に及ぼす影響を検討・考察した.〔結果〕在院日数・転帰(在宅復帰率%)は,入院時発症後日数が設定期間内の患者群(I群73症例)91.7±64.8日・80.1%が,設定期間超過の患者群(II群34症例)109.7±58.8日・67.6%より良好な結果を示した.しかしながら,何れの結果も有意差を認めるまでには至らなかった.しかも,II群の多く(34症例中,原因判明は25症例・73.5%)は,再手術・併存症や併発症の治療等が入院時発症後日数延長の原因となっていた上に,II群においても十分なリハビリテーションの効果が発揮され,在宅復帰な症例が34症例中23症例(67.6%)存在した.これらの結果より,定められた入院時発症後日数を超過した事のみによる判断にて患者の回復期リハ病棟への受け入れが困難となる事は,大きな問題であり,入院後の医療体制を含めて改善の余地が大いにあるものと考えられた.