著者
大島 美穂子 成瀬 徳彦 伊藤 浩明
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.551-559, 2020-12-20 (Released:2020-12-20)
参考文献数
15

【背景】食物アレルギーによる給食の除去対応は,給食で提供される最大量を超えて食べられることを確認したうえで解除される.【目的】地域の学校給食における卵,乳の最大使用量を明らかにする.アレルギー対応食の栄養を評価するとともに,食物アレルギー児が通常給食を喫食できる基準を考察する.【方法】愛知県豊田市の2018年度の学校給食198食を対象に,卵と乳の使用量を献立表と加工品の納入物資明細書より調査した.また,卵,乳アレルギー対応給食と通常食の栄養価を算出し,学校給食摂取基準と比較した.【結果】豊田市の飲用牛乳を除いた給食1食における卵の最大使用量は45 g,乳タンパク質最大含有量は5.93 gであった.乳を完全除去した牛乳アレルギー対応食では,カルシウム摂取が学校給食摂取基準の21.9±9.2%にとどまった.【結論】自治体の給食における使用量より,食物アレルギー対応が必要な基準を示すことができた.乳除去対応は著明なカルシウム不足につながるため,除去解除の根拠となる具体的な使用量を開示することは有意義であると考えられた.

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外部データベース (DOI)

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→乳除去はカルシウム不足につながるため、除去解除の根拠となる具体的な使用量を開示することは有意義であると考えられた。 (大島 美穂子ら.日小ア誌 2020;34:551-559) https://t.co/AypmOZCciN https://t.co/GIUmwgBOyj

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