著者
加藤 源俊 下島 直樹 富田 紘史 廣部 誠一
出版者
日本小児放射線学会
雑誌
日本小児放射線学会雑誌 (ISSN:09188487)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.72-77, 2019 (Released:2019-11-22)
参考文献数
15

急性虫垂炎は小児の急性腹症をきたすcommon diseaseである.急性虫垂炎と診断された場合,標準治療は手術による虫垂の切除だが,複雑性虫垂炎に対してはinterval appendectomy(以下,IA)を選択することもある.軽症の場合,手術や抗菌薬投与を行わずとも症状の軽快が得られるspontaneously resolving appendicitis(以下,SRA)の報告もある.東京都立小児総合医療センター(以下,当施設)では,急性虫垂炎が疑われる場合は小児外科医が超音波検査を施行,急性虫垂炎の確定診断及び当施設独自のGrade分類を行い,治療方針を決定している.虫垂壁の構造が保たれている,または不整であっても血流が亢進している場合は,補液のみで経過観察を行う.壁構造の不整かつ血流の低下,もしくは壁構造の消失がみられる場合は準緊急的な手術,もしくはIAの方針としている.腫瘤形成性虫垂炎に対しては,抗生剤加療を先行し,膿瘍消失後3か月以降にIAを行っている.超音波による虫垂の形態評価,血流評価は,急性虫垂炎の診断のみならず,治療方針を決める上で有用であると考えられた.

言及状況

外部データベース (DOI)

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日本小児放射線学会雑誌(2019; 35(2): 72–77)に、「虫垂は蠕動のない盲端となる管腔状の構造物」とある。 しかし薄いとはいえ筋層がある組織であり、蠕動すると思うのだが。 正常な虫垂をエコーでじっと眺めることがなく、自分には分かりません。どなたか教えてください。 https://t.co/K1Uw1NB5bl

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