著者
吉川 雅則
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.258-263, 2012-12-28 (Released:2016-04-25)
参考文献数
24

慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease: COPD)において,栄養障害は高率に合併する併存症であり,COPDの病態や予後と密接に関連している.体重減少を除脂肪量,脂肪量,骨塩量などの体成分の変化として捉えることによって栄養障害と病態との関連がより明確となる.栄養障害の原因として代謝亢進や全身性炎症,内分泌ホルモンの分泌動態の変化などが複合的に関与しており,これらのメカニズムを踏まえた栄養管理が必要となる.栄養療法と運動療法の併用とともに基盤病態である全身性炎症のコントロールが重要である.栄養管理の有効性に関するエビデンスは確立されつつあるが,その手法に関しては新規治療の開発も含めてさらなる検討を要する.蛋白同化作用,抗炎症作用,摂食促進作用を有するグレリンの反復投与と運動療法の併用は新たな治療法として期待できる.

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