著者
藤田 あけみ
出版者
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会
雑誌
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌 (ISSN:18820115)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.49-59, 2018 (Released:2019-12-05)
参考文献数
17

本研究の目的は、直腸がん肛門温存手術(ISR、LAR)患者の術後の排便障害と対処法を明らかにし、看護介入を検討することである。対象者は、直腸がんのためISRとLARを施行した外来受診患者91名であった。肛門温存手術後の排便障害に応じて、食生活に関する対処法として、「辛い味は控える」 「繊維食は控える」や肛門局所に関する対処法として、肛門の洗浄・清拭」 「肛門部の軟膏」 「パット・オムツをあてる」が多く行われていた。その他に、「骨盤底筋運動」 「規則正しい生活」 「腹部腰部のマッサージ」 「整腸剤内服」の対処法が多く行われていた。性別では女性に、就業状況では、術後は楽な仕事に移行した人や術後は無職となった人に、食生活に関する対処法が多かった。排便障害に応じて食生活の対処法を指導する際は、性別、就業状況などを把握し詳細に指導する必要がある。また、肛門局所の対処法である「パット・オムツをあてる」を指導する際は、パットやオムツの使い方、自尊感情を支える支援が必要である。 排便障害のある患者への看護介人として、自己のセルフ・ケア能力を発揮して対処行動がとれるよう排便障害の症状や経過を説明し、自己の状況を受容し目標をもてるように働きかけることが重要であると考えられた。

言及状況

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6月に人口肛門閉鎖手術を予定しています。術後の排便障害に対して、 自身の心の準備と思い、ネットで調べたのですが、なかなか面白い資料があったので同じような境遇の方にも共有します。 https://t.co/uAJ02jDWla

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