- 著者
-
山崎 千鶴
藤田 あけみ
- 出版者
- 一般社団法人 日本救急救命学会
- 雑誌
- 救急救命士ジャーナル (ISSN:2436228X)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, no.1, pp.38-45, 2023-03-20 (Released:2023-06-05)
- 参考文献数
- 19
目的:一地方の二次医療施設の救急外来看護師と救急救命士のプレホスピタルにおける連携の実態と課題を明らかにする。方法:救急外来看護師と救急救命士に対して,「病院前医療の連携」に関する自記式質問紙調査を行った。結果・考察:救急外来勤務体制は他部署からの応援体制の施設が多かった。救急の目的を,救急外来看護師の多くは “救命” ととらえていたが,救急救命士は “後遺症を伴わない救命” が半数で,後遺症を見据えた目的を認識していた。連携に不可欠な情報の共有では,救急救命士は通報が十分できていると認識していたが,救急外来看護師は情報不足と認識していた。救急救命士と同様のセミナーを受講していない救急外来看護師はアルゴリズムの存在を知らない可能性があり,共通認識がもてず,情報共有につながっていないと考えられた。結論:円滑な連携のためには,救急外来看護師と救急救命士の合同事例検証会の開催など,関係性を高める取り組みが必要である。