著者
藤井 博英 宇佐美 覚 牟田 能子 入江 良平 大和田 猛 清水 健史 伊藤 治幸 藤田 あけみ 大山 博史
出版者
日本赤十字秋田看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

我々は、民間信仰の「イタコ」を利用した自死遺族のグリーフワークを促進する要素を明確にすることを研究目的とした。「イタコ」を利用した対象者群と、利用しなかった対象者群の半構造化面接の結果を質的に分析し、それぞれに6つの因子が導出された。「イタコ」を利用した遺族は全てソーシャルサポートを受けておらず、「イタコ」を利用し、語ることによる心の浄化と、故人との内的な対話を通した相互理解や赦しの獲得がグリーフワークの促進要素として見いだされた。
著者
山崎 千鶴 藤田 あけみ
出版者
一般社団法人 日本救急救命学会
雑誌
救急救命士ジャーナル (ISSN:2436228X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.38-45, 2023-03-20 (Released:2023-06-05)
参考文献数
19

目的:一地方の二次医療施設の救急外来看護師と救急救命士のプレホスピタルにおける連携の実態と課題を明らかにする。方法:救急外来看護師と救急救命士に対して,「病院前医療の連携」に関する自記式質問紙調査を行った。結果・考察:救急外来勤務体制は他部署からの応援体制の施設が多かった。救急の目的を,救急外来看護師の多くは “救命” ととらえていたが,救急救命士は “後遺症を伴わない救命” が半数で,後遺症を見据えた目的を認識していた。連携に不可欠な情報の共有では,救急救命士は通報が十分できていると認識していたが,救急外来看護師は情報不足と認識していた。救急救命士と同様のセミナーを受講していない救急外来看護師はアルゴリズムの存在を知らない可能性があり,共通認識がもてず,情報共有につながっていないと考えられた。結論:円滑な連携のためには,救急外来看護師と救急救命士の合同事例検証会の開催など,関係性を高める取り組みが必要である。
著者
藤田 あけみ
出版者
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会
雑誌
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌 (ISSN:18820115)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.49-59, 2018 (Released:2019-12-05)
参考文献数
17

本研究の目的は、直腸がん肛門温存手術(ISR、LAR)患者の術後の排便障害と対処法を明らかにし、看護介入を検討することである。対象者は、直腸がんのためISRとLARを施行した外来受診患者91名であった。肛門温存手術後の排便障害に応じて、食生活に関する対処法として、「辛い味は控える」 「繊維食は控える」や肛門局所に関する対処法として、肛門の洗浄・清拭」 「肛門部の軟膏」 「パット・オムツをあてる」が多く行われていた。その他に、「骨盤底筋運動」 「規則正しい生活」 「腹部腰部のマッサージ」 「整腸剤内服」の対処法が多く行われていた。性別では女性に、就業状況では、術後は楽な仕事に移行した人や術後は無職となった人に、食生活に関する対処法が多かった。排便障害に応じて食生活の対処法を指導する際は、性別、就業状況などを把握し詳細に指導する必要がある。また、肛門局所の対処法である「パット・オムツをあてる」を指導する際は、パットやオムツの使い方、自尊感情を支える支援が必要である。 排便障害のある患者への看護介人として、自己のセルフ・ケア能力を発揮して対処行動がとれるよう排便障害の症状や経過を説明し、自己の状況を受容し目標をもてるように働きかけることが重要であると考えられた。