著者
横窪 安奈 木村 健一
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第57回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.P50, 2010 (Released:2010-06-15)

本研究は,茶室における亭主の動作と茶釜音(環境情報) が茶事における周期性を持つことを明 らかにし,この周期への客の同期を図ることで,茶事協調支援を促すための新しい茶室「幻庵」の 提案を目的としている.茶道は日本の伝統芸能の代表の1つである.茶道の技能を習得するためには,教科書を用いた知識習得型の学びでは,体得するのは困難である.そのため,技能の習得に関わる身体動作の周期性への同期を主体とした,スキル・サイエンスの知見を用いて茶事協調を解明することに取り組んだ.まず,茶釜の湯温変化が茶事協調の重要な要素であると仮説を立て,LED を発光体とし,Gainer で発光パターンを制御する明滅発生装置「幻庵ver0.1」を試作した.ここでは,茶室空間独自の雰囲気を損ねないことが確認できた.次に,茶事協調の同期の状況を確認するため,茶室フィールド実験を行った.実験結果から,亭主の動作が茶釜の音の変化と同期していることが明らかになった.さらに,亭主の動作を一区切りとした周期があり,茶事全体の周期を構成していることが示唆された.これを可視化することで,客が茶事の周期への同期を図ることができ,茶事協調の支援となる可能性があると考える.

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一方オンラインでは伝わらないなにかはやはりあって、学位審査をさせて頂いた横窪さんの茶室での参加者の同期みたいなのがヒントになると思います。近いとなんとなくみなシンクロするのだと思う。リズムとメロディ(c) 立川談志)https://t.co/hvoqxBD2Vy

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