著者
吉松 孝 池田 美奈子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第68回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.286, 2021 (Released:2022-02-23)

筆者は,これまでの研究で,米中シットコムの笑い(ラフ・トラックの挿入ポイント)と言語的特性について,どういった要因が,シットコムの笑いの挿入ポイントの差異に影響を与えているのかを述べた.しかし,米中シットコムの笑いや作風の差異の背景は,言語的特性のみではない.とりわけ,制作者や視聴者といった国民性としての思考習慣(考え方)の違いも重要な要因と考えられる.そこで,本研究では,思考習慣を複数の視点に分け,米中シットコムのテキストを,分析的思考,全体的思考,演繹性,機能性,低コンテクスト,高コンテクストがどこに見られるかという視点から分析した.その結果,米国シットコムには,演繹性,分析性が見られ,中国シットコムから,帰納性は1例しか見られなかった.一つの事柄から分析的に話を展開していくのは,シットコムの特性でもあり,分析しながら話を進めていくような傾向は米中シットコムどちらにも見られた.思考習慣に関する先行研究では,中国人は分析的でないとされてきたが,中国シットコムでは,シットコムの特性から,分析的と解釈されるようなテキストも用いられていることが分かった.

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