著者
竹田 直樹
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.88, pp.153-160, 1992-02-01 (Released:2017-07-25)

本研究は,我が国の公的空間における彫刻作品に対する規制と撤去・破壊の史的変遷を整理することにより,規制や撤去・破壊が行なわれた理由・社会的背景について分析し,現在,公的空間において盛んに設置が行なわれている美術作品としての彫刻作品の本質的な存在意義や性質について次のような考察を行なった。1)美術作品としての彫刻作品は,江戸時代の石仏の類や明治から第2次大戦までの銅像と同じように,社会の意志を表現するという本質的な存在意義を有している。2)美術作品としての彫刻作品の性質は,本質的な存在意義と作品内容が乖離しているため,見る人が本質的な存在意義を理解しにくくなる恐れがあること,および,作品内容に具体的な基準が存在しないため,作品内容は作品ごとに異なる自由なものとなり,作品に対する見る人の評価が,作品あるいは見る人ごとに多様なものとなりやすいことである。

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J-STAGE Articles - 公的空間の彫刻作品に対する規制と撤去・破壊の史的変遷 : 公的空間における彫刻作品の存在意義および性質について1 https://t.co/hTh5w4zHkP
@KoizumiSamukawa ここに日本のそれらの歴史がよくまとまってますが、比較的大きなトレンドとしては、戦後直後の軍国主義否定によるものがあったようですよ。 https://t.co/GhIWXouOpi
日本の銅像等の撤去の歴史がコンパクトに纏まってて興味深い。 https://t.co/GhIWXouOpi 公的空間の彫刻作品に対する規制と撤去 ・ 公的空間における彫刻作品の存在意義および性質につ い て 1 破壊の史的変遷 竹田直樹 (1992)

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