著者
李 卓 中野 豪雄
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.1_31-1_40, 2023-07-31 (Released:2023-08-03)
参考文献数
37

「内景図」という人体図像が,中国に古代より伝わる多領域の印刷物に掲載されてきた。本稿は,現存する印刷物にある「内景図」を中心に,版式や図像要素の変化を分析することにより,「内景図」の視覚伝達デザインの特徴を検討したものである。古代の印刷物における「内景図」の変遷,印刷文化の背景,「内景図」に関連する印刷物の紙面的特徴を探究することにより,以下の諸点を明らかにした。(1)「内景図」は印刷文化の発展とともに,最初に道教の書物に掲載され,医学の書物と日用類書に普及した。(2)現存する「内景図」を載せた書物には,4つの版式が存在することを明確化した。なお,「内景図」が木版の半分即ち書物の1ページを占める掲載の版式が最も頻度が高い。(3)「内景図」を構成する情報要素は,文字,象徴記号,具象的な図像に分類される。道教の書物における「内景図」の図像要素が最も複雑であり,医学の書物と日用類書における「内景図」の図像要素は次第に簡略化されていった。

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