著者
山内 健
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.123-130, 2019 (Released:2019-09-15)
参考文献数
22
被引用文献数
1

Bioelectrical impedance analysis(以下BIA)は生体の導電体としての性質に基づいてその電気抵抗を測定することにより,簡便,低侵襲,短時間に体組成を推定することができる機器である.測定条件を揃えれば再現性は良好で,装置も移動可能かつ比較的低コストであるため,当初は医療機器としてよりも健康機器として広まった.8電極法によるsegmental BIAや多周波数を用いた技術の進歩により,近年では医療機関でもよく用いられるが,BIAの測定原理は大胆な仮定に基づいており,身体のhydrationの状態や四肢や体幹の体組成の分布の変化があれば,その推定値には大きな誤差を含むことになる.地域の検診などの集団レベルで肥満やサルコペニアを診断するには非常に有用なツールとなりうるが,医療機関での個々の患者の使用に際しては,その原理を十分に理解して体組成の数値を解釈する必要がある.

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そう、そして体脂肪値もBIAによる測定で、これを判断にしてはいけない数値。 https://t.co/f7OzPayvqe https://t.co/PqA5wNp7f2
生体電気インピーダンス(BIA)法の基礎が丁寧に解説された総説。BIAの理論がよくわかりました。 https://t.co/JfAKCeV7eN

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