著者
高山 千代蔵
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.98-101, 2006-02-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
5
被引用文献数
1

戦後60年以上経った現在,我々日本人は豊かな食生活を享受している。これは,各種の化学肥料や農薬などの農業技術に負うところが大きい。多くの優れた農業技術が,コメを始めバラエティに富んだ野菜や果物など各種の農作物の安定生産に貢献してきている。ところで,我が国の食料自給率は低く,その多くを輸入に頼っている。また,世界的に見れば8億人を超える人々が食料不足に直面している。今後,持続可能な農業を行い,食糧を安定供給することが世界の重要な課題である。本稿では,農業の生産性を向上させる上で必須の資材である化学肥料及び農薬について,これまでの進歩を解説し,合わせて将来技術を展望する。

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“農薬には化学合成などで得られる化学物質を有効成分とする化学農薬と,害虫を捕食する天敵昆虫などの生物農薬とがある。”

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