- 著者
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野田 徹郎
- 出版者
- 公益社団法人 日本化学会
- 雑誌
- 化学と教育 (ISSN:03862151)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.8, pp.400-405, 2016-08-20 (Released:2017-02-01)
- 参考文献数
- 7
大分県で地熱発電が盛んなのは地熱資源が豊富だからである。地熱資源の化学成分や同位体の組成は,水の起源が天水であり,地下に浸透した天水が火山活動と岩石との反応を被ってもたらされたものであり,その解析により地熱資源の形成過程を知ることができる。この地熱資源の探査にも化学成分は有効であり,地化学温度計は有効な定量的指標の一つである。地熱発電を持続的に行うためにも化学の情報は重要であり,化学的な処理によりトラブルを軽減することができる。また,温泉など環境への影響を回避するための考察にも役立つ。