著者
杉田 和幸
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.554-557, 2019-11-20 (Released:2020-11-01)
参考文献数
3

葉酸の合成を阻害することによって抗菌活性を示すサルファ剤に続いて,β-ラクタム系抗生物質のペニシリンが発見され,細菌による脅威から人類を守る手段が獲得され始めた。既存抗菌薬が無効な菌に対処するため,作用メカニズムの異なる抗菌薬を見出す努力を続ける中で,我々が新たに手にした新規抗菌薬の1つがキノロン系合成抗菌薬である。風邪を引いたときに,細菌による感染が疑われる場合,主として処方されるマクロライド系抗生物質およびセフェム系抗生物質と並ぶ,主要な経口抗菌薬の1つである。

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