著者
御影 雅幸 達川 早苗
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.1077-1085, 2001-03-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
34

漢方生薬「木通」は, 現行の『日本薬局方』ではアケビ科のアケビまたはミツバアケビの茎であると規定されている。一方, 中国では木通の原植物はかなり混乱し, 複数の科にわたる多くの異なった植物が木通や通草として使用されている。本草学的研究の結果, 唐代の医家がウコギ科のカミヤツデのやわらかな茎髄に由来する偽品の通草から区別するために原名の「通草」を「木の通草」の意味で「木通」に名称変化したと考証し, また正品「木通」はアケビ属植物であったことを考証した。現在中国では「通草」としてカミヤツデの髄を使用しているが,『傷寒論』などに記された古方にはアケビの茎を使用すべきである。

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@HasegawaTaizo20 だから"薬用植物"としての"知識"が渡来。アケビは8属20種。古来名は「通草」。 >平安時代の『本草和名』や『延喜式』に、通草を"阿介比加都良(アケビカズラ)"と記載されていることは、当時中国からもたらされた「通草」がアケビ属由来であったことを裏付けるものである https://t.co/gcYPUvQqQf

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