著者
田中 美智子 長坂 猛 矢野 智子 小林 敏生 榊原 吉一
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.8-16, 2011 (Released:2015-08-28)
参考文献数
32
被引用文献数
2

高齢者14名(男性7名、女性7名)を対象とし、腹式呼吸を行なっている間の、循環や自律神経の反応に加え、ストレスホルモンへの影響について検討した。対象者が通常の呼吸条件と意識的腹式呼吸条件を行っている時にRR間隔と血圧を持続的に測定し、実験前後の唾液もしくは尿のサンプルからストレスホルモンを採取し、分析した。RR間隔から心拍数を算出するとともに、心拍変動を解析することで、自律神経系の指標を算出した。意識的腹式呼吸条件中には、通常の呼吸条件と同様に心拍数の減少を認め、さらに、収縮期血圧及び拡張期血圧ともに低下した。自律神経系の反応では、意識的腹式呼吸条件中に副交感神経系の指標であるlog(L×T)の増加が見られた。実験後に両条件でストレスホルモンの減少が認められたが、意識的腹式呼吸条件では有意な減少であった。以上のことより、意識的腹式呼吸は高齢者にはストレッサーにはなっておらず、リラックスした状態を維持できる呼吸法と考えられる。

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@kawaguti 東洋医学とかヨガではごく当たり前の原則みたいに言われてますけど、科学的根拠ってあるのかなと思ってググったらこんな論文みつけました https://t.co/KVaCi8YX6x

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