著者
伊藤 邦彦 吉山 崇 加藤 誠也 石川 信克
出版者
一般社団法人 日本結核病学会
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.9-14, 2009 (Released:2012-02-21)
参考文献数
6

〔目的〕一般病院における結核診療の可能性と問題点を探索する。〔対象と方法〕結核モデル病床事業を運営する病院に対してアンケートを行う。〔結果〕アンケート対象75施設の回答率は57%(43⁄75)であった。モデル病床の運営状況はきわめて様々であった。大半の結核患者を一般病院で診療していくことは(条件さえそろえば)可能であると回答した病院は74%であった。モデル病床運営上の問題点としては,感染対策手技の手間(37%),高い空床率(30%),感染対策設備の問題(28%),結核患者診療への超過労働力や人件費(21%),低い診療報酬(16%),看護上の問題(16%),アメニティの不足(14%), 結核患者受け入れ態勢の問題(12%),看護職の知識面での負担増大(12%),診療の質確保(7%),感染のリスク(5%),その他(16%)であった。〔考察と結論〕今後本邦においても一般病院での結核入院診療を推進していかなければならないものと思われるが,これにあたっては未だ多くの解決すべき問題点がある。現在のようなモデル病床事業を拡大し,より広く経験を蓄積していくことが今後も必要と思われる。

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[結核] 患者収容モデル事業

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