著者
田中 修
出版者
地方独立行政法人 神戸市民病院機構
雑誌
神戸市立病院紀要 (ISSN:0286455X)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.1-13, 2017 (Released:2020-03-26)

長期に渡る対策が功を奏し、手術室での気道トラブルは減少した。しかし、手術室外においては未だ課題が多い。 そこで、気管挿管をめぐる最近の文献を調査し、現状と動向を概説する。集中治療室での気管挿管には、MACOCHA スコアや気管挿管バンドルの使用が勧められている。呼吸不全患者の挿管前の酸素化(前酸素化)には非侵襲的陽圧 換気が有効で、挿管操作中は無呼吸酸素化が推奨される。ビデオ喉頭鏡は声門部の視認性に優れ、小型化、低価格化 により普及しているが、各医療現場では適正使用に向けた教育が重要である。上気道エコーによる気管チューブの位 置確認は感度、特異度共に高く、習得も容易なため普及が望まれる。困難気道管理ガイドラインの登場により、アル ゴリズムに沿った気道管理が実施されている。医療従事者は、“cannot intubate and cannot oxygenate”(CICO)シナリ オを念頭に置き、的確に対処できなければならない。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (2 users, 2 posts, 9 favorites)

具体的な数値まで意識してこなかったので勉強メモ ICUでの気管挿管の合併症は、挿管操作中の低酸素血症に起因するものが多い 動脈血酸素飽和度の70%以下への低下は、容態の悪化や死亡の原因となる。操作中の低酸素血症を予防するには、前酸素化と無呼吸酸素化が有効 https://t.co/Fa9fc9JAJW

収集済み URL リスト