著者
山田 晶子
出版者
The Japanese Society of Sericultural Science
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.341-346, 1998-08-31 (Released:2010-07-01)
参考文献数
12

絹布の吸湿速度に及ぼす大気の温・湿度の影響を比較検討した。また, 高温環境での繊維素材別の吸湿速度の特徴も検討した。布の吸湿による重量変化を記録し, 一次の反応速度式から吸湿速度定数を求めた。吸湿過程全体の吸湿速度は, 高温・低湿環境ほど大きく, 低温・高湿環境ほど, 小さくなる傾向を示し, 推定値の結果と一致した。初期吸湿速度は, 後期吸湿速度より大きく, 環境湿度が変わっても, 環境温度が等しければ一定であった。各種繊維素材布の初期吸湿速度の終点での水分率と, 水分吸着曲線が一定勾配で上昇しなくなる点の水分率は等しかった。初期吸湿速度の変化点後の吸湿速度の減少割り合いは, 絹, 羊毛で小さく, 綿, 麻で大きかったことから, 絹は, 低温多湿の気候で着心地が良く, 綿麻は, 高温多湿の夏季に適した衣料素材と言える。

言及状況

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高温の方が(絹では)吸湿が抑えられるらしいけど。。 https://t.co/iHL9hL9XaR 以下補足で 図1の上段グラフで「20℃ 80%RH」と「30℃ 40%RH」が容積絶対湿度(一定空間中の水分量)は「近い」。

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