著者
永里 歩美 船越 公威
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.181-186, 2010 (Released:2011-01-26)
参考文献数
10

ニホンテンMartes melampus の換毛を引き起こす要因および毛色の地理的変異を解明するため,毛色の季節的な変化について九州南部における自動撮影装置を用いた野外調査と飼育下での観察をあわせて行った.その結果,野外,飼育下ともに冬毛への換毛が11月から,夏毛への換毛が4月から始まっていた.飼育下での観察結果から,冬毛への換毛は,室温が28°Cから16°Cに下降し,昼時間が11.5時間から10.5時間と短縮する時期に起こった.夏毛への換毛は,室温が18°Cから25°Cに上昇し,昼時間が12.5時間から13.5時間と長くなる時期に起こった.換毛の進行過程は,夏毛への換毛と冬毛への換毛が逆向きに進んだ.冬毛の鮮やかさは低緯度のものほど薄れ,九州南部のものでは吻部や眼の周囲が周年を通じて黒かった.

言及状況

外部データベース (DOI)

Yahoo!知恵袋 (1 users, 1 posts)

動物の夏毛や冬毛の換毛は日長や温度などによって 引き起こされるので、同じような生息環境であれば 北半球から南半球(もしくはその逆)に移動させても 夏には夏毛、冬には冬毛に変わります。 ただし動物の種類によって、換毛が引き起こされる要因は 様々なようです。 テンは気温や日照時間、周辺環境の条件や毛色に関わる遺伝子など 様々な要因が重なって引き起こされている可能性が考えられる そう ...

収集済み URL リスト