著者
小林 雄一郎 岡﨑 友子
出版者
計量国語学会
雑誌
計量国語学 (ISSN:04534611)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.451-465, 2022-12-20 (Released:2023-12-20)
参考文献数
19

本研究は,日本語歴史コーパスに収録された奈良時代から大正時代までのテキストを用いて,指示代名詞の通時的分析を行うものである.指示代名詞の形態は時代によって若干異なるため,系列別(コ系列,ソ系列,カ系列,ア系列),型別(ゼロ型,ノ型,レ型,コ型,ナタ型,チ型)の分類に基づく分析を行った.具体的には,系列別・型別に集計された頻度に対してLOESS平滑化を実行することで,指示代名詞の使用傾向の経年変化を調査した.そして,(1)指示代名詞の総数が増加していくこと,(2)ソ系列は増加傾向を示し,コ系列とア系列は1700〜1800年代に多く,カ系列は緩やかに減少したあとで再び増加すること,(3)ゼロ型は減少傾向,レ型は増加傾向を示し,ノ型は1700年以降に増加し,他の3つの型はいったん増加したあとで減少すること,などを明らかにした.

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小林雄一郎・岡﨑友子 (2022). 「日本語歴史コーパスを用いた指示代名詞の通時的分析」『計量国語学』33(7), 451–465. https://t.co/S9rCOzFWja 本文公開

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