- 著者
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藤原 茂芳
- 出版者
- 一般社団法人 日本内科学会
- 雑誌
- 日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
- 巻号頁・発行日
- vol.81, no.8, pp.1279-1283, 1992-08-10 (Released:2008-06-12)
- 参考文献数
- 19
脳のアミロイドアンギオパチー(cerebral amylold angiopathy: CAA)は,脳出血の原因の一つとして,重要視されている.典型例では,高血圧の既往の無い高齢者に,再発性の脳葉型の脳出血を来し,重篤な身体後遺症のほか,脳血管性痴呆の原因ともなる.脳外科的処置が禁忌となるなど,高血圧性脳出血とは異なる治療が必要であるが,術前診断は,従来困難とされていた.アミロイド蛋白の分析や遺伝子解析が進み,最近,髄液中のcystatin Cの濃度を測定することにより,術前・生前診断の可能性が開けてきた.本稿ではCAAの基礎から,臨床像を振り返り,新しい診断法について述べ,新たな治療法の可能性を探る.