著者
天野 隆弘
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.659-662, 1996-05-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
6
被引用文献数
1

脳髄膜meningesは硬膜dura materとその直ぐ下のくも膜arachnoidea,脳表の薄膜である軟膜pia materからなる.臨床や病理学ではくも膜と狭義の軟膜pia meterを一緒にした1eptomeninxを軟膜と呼んでいる.髄膜炎meningitisは広義の軟膜の炎症である軟膜炎leptomeningitisをいう.日本語では名称が混乱しやすい.脳室脈絡叢で産生された髄液は脳脊髄の表面を流れ,大部分は静脈洞のくも膜顆粒から吸収され,一部は静脈洞や脊髄神経節近くにあるくも膜絨毛から吸収される.髄膜炎の後遺症として時に脊髄循環の障害が起き水頭症が生じる.脳血液関門は脳血管が解剖学的に一般血管と異なり内皮細胞同士がtight junctionをなすこと,さらにpinocytotic vesicleが極めて少なくまた小窓fenestrationがないことから説明される.

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