著者
原 仁司
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.60-73, 1991-05-10 (Released:2017-08-01)

『田園の憂欝』は、当初ブレイクの詩をその巻頭に掲載していたことからもわかるように、絵画的な趣向が全篇に行き亘っていた。この絵画的趣向が作品に与えた意義はじつに種々様々なのであるが、その意義のひとつに『田園の憂欝』特有の"多声的な文体"の形成という点があった。これはポーの文学的心理解剖を作品構造に応用したこととも密接に関連し、またその"多声的な文体"の内実は、当時の春夫の創作主体の微妙な位相を我々に解きあかしてくれるものでもあった。

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#寝る前に論文読む 原仁司/『田園の憂鬱』論 https://t.co/TEt9mO4TQt 『田園の憂欝』の構成から見ると、絵画的趣向がある"多声的な文体"の形成という点を論じる。その上、ポーの文学的心理解剖との関連を明らかにする。また、当時の春夫の創作主体の微妙な位相を解きあかしてくれる。

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