著者
米村 みゆき
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.63-72, 1995-08-10 (Released:2017-08-01)

宮沢賢治『どんぐりと山猫』の別當はこれまで"周縁人物"として扱われてきた。その背景には別當がこれまでの賢治像に位置づけることが難しい存在であること、逆に別當を隠蔽化したところに賢治神話は成立してきた。本稿はテクストを大正後期の時代状況と対話させ、別當は教育が孕む重要な問題を浮き彫りにする人物であることを指摘する。それは学歴と階層の対応であり、講義録、夜学の記述のうちに当時の農村青年の「学校」への希望と諦めが見える。

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