著者
佐野 正俊
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.56-65, 2012-01-10 (Released:2017-08-01)

太宰治「猿ヶ島」の教材としての価値を、「物語」としての「おもしろさ」にあるとまずは押さえる。その上で、教室の初読の段階において「物語」のレベルで読み、その「おもしろさ」を十分に味わう。次に再読の段階で、一人称の「私」という語り手が気づいていないことを批評的に読んでいく。このような指導過程によって、本作品はこれまでとは大きく違った相貌を見せてくるはずである。

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