著者
日置 貴之
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.42-52, 2013-10-10 (Released:2018-10-25)

明治期の上方歌舞伎は従来、同時期の東京の歌舞伎に比べて革新性に乏しいものであるとされ、顧みられることが少なかった。しかしながら、詳細に検討していくと、そこではいくつもの興味深い変化が生じているのである。本論考では、特に明治十年代末までの大阪における変革の諸例を取り上げ、その多くが「東京風」を志向したものであることを示す。さらに、この時期の劇界の変化は、東京が京阪に一方的に影響を与えるというものではなく、相互に影響関係を持つものであることを明らかにし、明治期上方歌舞伎の演劇史的位置付けの再考を促す。

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https://t.co/jIBFPbcT0q 日置 貴之(2013)「明治初期大阪劇壇における『東京風』」。 「女盗賊の身なりにまで用いられると、果たしてこの『東京風』という表現がどこまで実際の東京を反映したものであるか怪しい気もしてくる」「ともあれ、『東京風』がこの時代の上方における一種の流行であり…」。

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