著者
兵藤 裕己
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.2-13, 2017-01-10 (Released:2022-02-02)

『源氏物語』や『平家物語』の語り(narrative)について、風景や装束が記述的・事実確認的ではなく行為遂行的(performative)に語られること、それに関連して、語り手と読者および作中人物の共主観的(相互主観的)なあり方について述べた。また、そのような物語の語りが、近世の出版メディアのなかで変容することを、近松門左衛門の作者署名の問題や、洒落本・人情本の自己言及的な語りの問題として論じ、末尾で、江戸後期の戯作の語りが、明治期の尾崎紅葉や泉鏡花の語りに接続することを述べた。

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