著者
犬飼 隆
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-14, 2008-01-01 (Released:2017-07-28)

木簡をはじめとする出土物に墨や線刻で文字を書いたものがあり、手続きをふめば言語資料になる。それらは、古代の現物がそのまま利用できる点に価値がある。また、日々の文書行政の場で使い捨てを前提にして書かれたので、日常の言語使用が反映している点にも価値がある。出土物を言語資料として活用することによって、記紀万葉の類からとは異なる知見を得ることができ、今後、八世紀以前の日本語の全体像が塗り替えられるであろう。九世紀以降との連続・不連続も一層精密に解明されるであろう。より良質な資料を得て適切にとりあつかうためには、歴史学・考古学との学際を深める必要がある。また、朝鮮半島の出土物との比較が、研究の深化と精密化と発展をもたらす。

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犬飼隆「古代語資料としての出土物」(『日本語の研究』4巻-1号 2008年)の第五節の冒頭 いくつかの学問の視点から考える際のむずかしいところが指摘されているけど、大学で歴史学を学んでいる身からすれば確かにそうかもとなる どの節も重要な指摘で勉強になる Pdfで見れるよ https://t.co/ZDXwECfjJa https://t.co/DWYDClcp94
@seironteibougen @ArturGalata 改めてまともそうな論文を見つけてざっくり読んでみたんですが、奈良時代以前は資料がなくて難しそうですね。それこそが、それ以前に表記文字が欠けていた証左かもしれません。 https://t.co/6Hyp4panke
なるほど? https://t.co/Rjjr3V3BDP https://t.co/6Aj87jPQC3

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