著者
今西 由華 林 陽子 金森 康和 犬飼 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.261, pp.31-36, 2006-09-19
参考文献数
6

愛知県と岐阜県南部の方言には、「大根→ダェーコ」、「古い→フルィー」、「鯉→コェ」、などの母音「アイ、ウイ、オイ」が連続する位置で融合して変母音となる特徴があり、よく知られていたが、現在は急速に消滅しつつある。それらを良好な録音条件で収録し保存し、またその特徴を分析することは、方言という文化遺産を継承するのに重要である。しかし、具体的に音声から特徴を抽出し、詳細に分析した先行研究は見当たらない。そこで本研究では、世代による使用の変化も含め、名古屋弁の変母音の音声特徴を抽出した。よって得られた結果は名古屋弁を具体的に分析したという研究の先駆けとして、利用できるものである。
著者
犬飼 隆
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-14, 2008-01-01 (Released:2017-07-28)

木簡をはじめとする出土物に墨や線刻で文字を書いたものがあり、手続きをふめば言語資料になる。それらは、古代の現物がそのまま利用できる点に価値がある。また、日々の文書行政の場で使い捨てを前提にして書かれたので、日常の言語使用が反映している点にも価値がある。出土物を言語資料として活用することによって、記紀万葉の類からとは異なる知見を得ることができ、今後、八世紀以前の日本語の全体像が塗り替えられるであろう。九世紀以降との連続・不連続も一層精密に解明されるであろう。より良質な資料を得て適切にとりあつかうためには、歴史学・考古学との学際を深める必要がある。また、朝鮮半島の出土物との比較が、研究の深化と精密化と発展をもたらす。
著者
犬飼 隆
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-14, 2008-01-01

木簡をはじめとする出土物に墨や線刻で文字を書いたものがあり、手続きをふめば言語資料になる。それらは、古代の現物がそのまま利用できる点に価値がある。また、日々の文書行政の場で使い捨てを前提にして書かれたので、日常の言語使用が反映している点にも価値がある。出土物を言語資料として活用することによって、記紀万葉の類からとは異なる知見を得ることができ、今後、八世紀以前の日本語の全体像が塗り替えられるであろう。九世紀以降との連続・不連続も一層精密に解明されるであろう。より良質な資料を得て適切にとりあつかうためには、歴史学・考古学との学際を深める必要がある。また、朝鮮半島の出土物との比較が、研究の深化と精密化と発展をもたらす。
著者
定延 利之 キャンベル ニック 森 庸子 エリクソン ドナ 金田 純平 坂井 康子 匂坂 芳典 朱 春躍 砂川 有里子 友定 賢治 林 良子 森山 卓郎 大和 知史 犬飼 隆 杉藤 美代子 藤村 靖
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本プロジェクトは、書きことば研究に比べて立ち遅れの目立つ、日本語の話しことば(韻律を含む)の研究を進めるものである。「人物像」を重視した前研究(基盤A(H19-22))において、日本語の主な話し手像(発話キャラクタ)を分析したように、本プロジェクトでは日本語話しことばに見られる主な「状況」を考察し、「状況」に基づく話しことばの姿を分析する。特定の「状況」において「どのような立場の者が、どのような立場の者に対して、どのような発話の権利を持つのか」を明らかにし、それを活かした資料を作成する。
著者
遠山 一郎 丸山 裕美子 久冨木原 玲 中根 千絵 宮崎 真素美 山村 亜希 犬飼 隆 桐原 千文 下村 信博 山口 俊雄 福澤 将樹 高橋 亨 吉田 永弘 小谷 成子
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

古代から近代に渡り、戦が文化・文物に影響したさまを広く研究し、中国・朝鮮との関わり、さらにヨーロッパとの比較の視点をも取り入れて、総合的な研究を実現した。2007年から2011年の5年間にわたって催した研究集会・講演会、文物の展示会、伝統芸能の実演によって約2, 200名の参加を得、学術研究を広く地域の人々とも共有するという当初の狙いを具体化した。これらの成果をもとに単行本5冊と、語りの実演にその語りの本文に索引を付けたDVD1つを刊行し、研究集会と伝統芸能の映像記録も2つのDVDに残した。
著者
犬飼 隆
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

大宝2年度と養老5年度の戸籍及び8世紀の計帳、出土木簡等に書かれた約5千人の古代日本人の名について、日本語語彙としてのよみを確定し、多くに語義解釈を施した。併せて、それらを古代における漢字使用の資料として利用する方法を開発した。
著者
犬飼 隆
出版者
おうふう
雑誌
言語と文芸 (ISSN:04523008)
巻号頁・発行日
no.83, pp.p128-149, 1976
著者
木村 和成 犬飼 隆夫 斎藤 潔 柏谷 英夫
出版者
社団法人日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.38, no.425, pp.175-181, 1989-02-15
被引用文献数
1

Older thermal power plants are increasing in number today which are to be used beyond their design lives. In order to keep their high performance and to extend their useful lives, it is quite necessary to fully understand the degradation phenomena of the component materials during service operation and to make more accurate life assessment. The embrittlement , one of the typical material degradations, was investigated for the CrMoV steam turbine rotors retired after long time service at high temperatures in thermal power plants, as well as for the laboratory aged rotors. The V notch Charpy impact tests showed a remarkable increase in the fracture appearance transition temperature (FATT) in some rotors. The Auger electron spectroscopy analysis indicated that this increase was attributable to the phosphorus segregation to the grain boundary. The electrochemical polarization (ECP) test was applied to the rotor samples and the value of ECP minimum current density, which was corrected for the grain size obtained by the metallographical investigation of replica taken from the ECP test surface, was found to be a very good measure of the embrittlement. Based on these informations from ECP test, replica observation and rotor production record, a nondestructive method for evaluating in-service toughness degradation of CrMoV steam turbine rotors was presented. According to this method, the degraded FATT of a CrMoV rotor could be estimated within ±20℃.
著者
定延 利之 杉藤 美代子 友定 賢治 CAMPBELL Nick 犬飼 隆 森山 卓郎 本多 清志 朱 春躍
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

「音声言語」教育の基礎資料を作成するという本研究の目的を果たすために、基礎資料の全体的デザインを検討し、検討結果を反映させる形で調音映像資料と、会話音声資料の作成をおこなった。調音映像資料については45回を越える実験を通して「母音」「rとl」「有声音・無声音」「口蓋化」「促音」「無声化」「早口言葉」「りきみ」「空気すすり」等の映像資料を元にした。その中心は日本語であるが、比較対照のために英語・中国語の実験もおこない、調音映像の資料を作った。会話音声資料については、基礎資料作成のための材料として、大学生対話や低年齢層話者も含めた家庭内会話、社会人会話など100時間にせまる会話の映像と音声を記録・観察した。これらの作業の過程で、たとえばりきみや空気すすりのように、これまで軽視されていた行動が、大きな役割を果たすことを明らかにした。また、調音動態と会話分析の双方を収容する包括的な枠組みとして「文法」(音声文法)の必要性を明らかにした。以上の作業を通して得られた知見は、その都度「基礎資料の全体的デザイン」の再検討に反映した。得られた知見の学会発表や論文集出版、パネルディスカッション企画、24回の打ち合わせを通して、音声文法の若手研究人材の育成につとめた。これらの知見を日本語教育や国語教育に真に役立てるために、日本語教育や国語教育の関連学会大会でのデモや発表をおこない、「日本語音声コミュニケーション教育研究会」「日本語音声コミュニケーション研究会」を立ち上げ、成果を問うた。それとともに、インターネット上に基礎資料のサンプルを一部英語版も含めてアップし、国際的な規模で、教育現場の意見のフィードバックをおこなった。また、われわれの活動を広報するために、学会講演や一般書の出版、国際ワークショップ開催や新聞インタビュー、広報誌でPRするとともに、インターネット上にホームヘージを開設した。