著者
橋本 佳明 二村 梓
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.650-652, 2007-12-28 (Released:2012-08-20)
参考文献数
3

目的:血液検体の血清分離遅延により血清カリウム値が変動すること,さらにその変動は放置温度や放置時間により異なることが報告されている.今回,東京の某健診機関で見られた血清分離遅延による低カリウム血症率の上昇について分析した.方法:2003年4月から10月の間に職域健診をうけた2,645名のデータを解析した.4月から7月の検体は採血後7-10時間で,8-10月の検体は採血後0.5-1時間で血清分離された.成績:各月の低カリウム血症(3.4mEq/1以下)率は,4月12.7%,5月14.1%,6月21.5%,7月24.5%,8月1.6%,9月0.8%,10月0.6%であった.高カリウム血症(5.1mEq/l以上)率は4-7月0.28%,8-10月0.58%であった.結論:東京の4月から7月の気温で全血を7-10時間放置すると低カリウム血症率が著しく上昇することが判明した.血液検体の血清分離は速やかに行う必要がある.

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生きた赤血球のナトカリポンプの影響でカリウム値下がるのか、知らなかった(無知) https://t.co/VomxNlbabc

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