著者
広松 聖夫 木下 斎 井上 明生
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.389-395, 2016-09-25 (Released:2016-12-06)
参考文献数
9
被引用文献数
1

[はじめに]変形性股関節症に対する各種温存手術の後,関節症変化が進行してきたときの対応には,いろいろの方法があるが,今回は特にわれわれが保存療法として勧めているジグリング(貧乏ゆすり様運動)の成績を検討した.[対象と方法]温存手術の後,関節症変化がいったんは良くなったものの再び悪化してきた症例,および術後3年以上たっても改善してこない症例を対象に,一日2時間以上のジグリングを指導し,6か月ごとに追跡し,関節裂隙の開大とともに症状,主としてJOA score疼痛点の改善で評価した.[結果]対象になったのはキアリ手術術後29関節,寛骨臼回転骨切り術後4関節,棚形成術術後3関節の合計36関節で,そのうち著明に改善したのは17関節47%であった.[結語]変形性股関節症に対するキアリ手術の成績向上のために考案したジグリングは,温存手術の成績不良例にも試しみる価値のある治療手段であることがわかった.

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