著者
石田 淳
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.81-97, 2014 (Released:2016-07-10)
参考文献数
17

本研究では,Yitzhakiの相対的剥奪指数をもとに,分配的正義論における「機会平等の原則」に基づき,人々の剥奪を「剥奪を生じさせる要因が機会の不平等によるものかどうか」によって分けることで,相対的剥奪指数,そしてジニ係数を分解するという分析手法を提案する.具体的には,機会平等の原則に基づき,機会の平等を実現する政策について数理的なモデルを提案したRoemerのモデル,そしてRoemerのモデルに基づき,経験的データに基づき性別や親の地位などの「本人のコントロールが及ばない要因」によって生じた所得などの優位の差を仮想的に調整した社会の不平等度を測る「仮想的機会調整分析」,これらの先行研究をもとに,機会不平等に起因する相対的剥奪の分解法とその指数を定式化する.同時に,アメリカ・コミュニティ調査データと2005年SSM調査データを用いた分析例を示し,最後に分解法の特性と今後の課題をまとめる.

言及状況

外部データベース (DOI)

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"特集論文 機会不平等に起因する相対的剥奪の測定" "相対的剥奪の概念は,Stouffer et al. (1949) によるアメリカ兵の意識調査研究において,社会学・ 社会心理学的概念として明確な形で導入され,その後社会学においては一つの基礎概念として 定着した." https://t.co/D6sXGVpU1Y
@HomuD_madogiwa ジニ係数だと社会の格差についてなので個々を見るなら相対的剥奪指数とかの方が近いかもです。個人の相対的剥奪指数をまとめたのがジニ係数に関係するという結果も出てるので指標としては適切だと思います。 参考文献はこれとか。 https://t.co/iTL3zyhdSE

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